シュノーケリングでも重要になってくる潜水方法である「ヘッドファーストダイブ」と「鉄棒潜り」について解説していきます。
ヘッドファーストダイブは読んで字のごとく頭から潜る方法で、イルカやクジラ、ラッコなど哺乳類を中心とした水生動物のスタンダードな潜水術です。
ヘッドファーストダイブに関しては直感的に理解できると思いますが、「鉄棒潜り」についてはほとんど知られていないでしょう。
鉄棒潜りはヘッドファーストダイブをマスターする上で非常に有効なアプローチ法です。
そこで当記事では、鉄棒潜りを重点的にご紹介します。
鉄棒潜りとは?
水中では浮力が働くため、簡単には潜れません。
しかし水生動物は見事なヘッドファーストダイブを披露していますよね。
私たち人間も同じ哺乳類なので、彼らの挙動を真似すればきっとヘッドファーストダイブを身につけられるはずです。
そこで鉄棒潜りの出番です。「鉄棒」といっても、材質が鉄である必要はありません。
公園や校庭などにあるような鉄棒の形状を模したものがあればよいのです。
練習相手として、バディに登場願いましょう。バディの足を拝借し、鉄棒に見立てるというわけです。
バディはプールサイドに立ち、プール内側に向かって水中で片足を差し出すポーズを作ります。
この際、水面と平行に足を伸ばせば「人間の足バー」のできあがりです。
さらにこの足バーと、水面の高さが40cm以内になるよう軸足で調節すれば完璧です。
ただしこの姿勢を維持するのは結構骨が折れるので、プールサイドにもたれるか、つかまれるようなものを探しておきましょう。
バーをつかんで前転してみよう
頼れるバディの足バーを確保したところで、まずは第1段階として水中での前転にチャレンジしましょう。
なぜ前転なのかといえば、身体の挙動が水中に潜る動作に似ているからです。
バーから少し離れたところからスピードに乗って泳いで、バーをつかんだら前転します。
頭が真下を向いたところでつかまえているバーを後方にグイッと押し、その反動で身体を前方斜め下方向に沈めましょう。
なお、最初は勢いをつけて前転しても構いませんが、徐々に力を抜いていき、最終的には勢いをつけずに前転できるようになるのが第1段階のゴールです。
バーをつかまずに前転してみよう
第1段階をクリアできたら、次は足バーをつかまずに前転できるようにしましょう。
なお掴む必要がないといってもバーがあるのとないのとではプレッシャーが全く違います。
第1段階と同様に、勢いをつけてバー目がけて泳いでいきましょう。
バーを越えるところからが第2段階のポイントで、バーを掴む動作の代わりに手を真っ直ぐ前に伸ばし、飛び込みの姿勢でそのまま頭を真下に潜り込ませます。
そこから前方斜め下方向に身体を沈めつつ、前進できるようになれば第2段階は成功です。
補助動作として手のひとかきを入れる方法もありますが、これを行わないほうが上達は早いとされています。
潜水により身体がスムーズに沈み、再浮上する一連の動きが無理なくできるようになれば、晴れてヘッドファーストダイブをマスターしたといえるでしょう。
まとめ
イルカやクジラがなぜあんなに見事なヘッドファーストダイブを行えるのかを考えてみましょう。
その理由は重心移動にあります。背中や尾ひれの重しをうまく動かし、次々と重心移動させながら潜水しているのです。
私たち人間もこれに倣い、ヘッドファーストダイブで頭を沈めたら、水面上に残った背中やお尻、足などを重心移動させながら潜水することが肝要といえるでしょう。
鉄棒潜りのステップは全てここにつながっているのです。
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