ヨガで生理早まるって本当?ヨガで月経周期が変わる5つの原因と生理中におすすめのポーズ
「ヨガで生理早まる」という話を聞いたことがありますか?実は、生理周期が遅れがちな方がヨガを始めると、生理早まるという現象が起きることがあるのです。
月経不順や不正出血、プレ更年期の月経異常について悩んでいる方は少なくありません。
今回の記事では、ヨガと生理周期の関係性について解説し、少しでも女性特有の悩みが改善されるようアドバイスをしていきます。
ヨガで生理早まるって本当?ヨガは女性特有の「月経」に効果を及ぼす
ヨガには人の心身を整える効果があるとされていますが、女性にとって生理周期は体の調子が現れやすい部分。
過度な食事制限やストレスで生理が来なくなった、出血量が少なくなった…という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
女性の心身が生理周期に影響を及ぼすことを考えると、生理が遅れがちなタイプの方がヨガをして心身のバランスが整った結果、生理周期が正常になれば「ヨガで生理早まる」と思われることはごく普通のことだと考えられます。
ヨガをすると生理早まる5つの理由!女性ホルモン量のバランスが整えられるのはなぜ?
ヨガで生理早まる可能性があると解説しましたが、ヨガはどのように生理周期に影響を及ぼしているのでしょうか。
さまざまな要因が考えられますが、主な理由を5つご紹介します。
血液のめぐり&冷えが改善される
ヨガで生理早まるひとつめの理由は、ヨガが血液のめぐりを良くし、冷えの改善に効果をもたらすと考えられていることです。
男性に比べて筋肉量が少ない女性は体が冷えがち。ヨガは運動の中でも特に骨盤を大きく動かす効果があり、骨盤周りの冷えを改善する効果が期待できます。
特に「陰ヨガ」は股関節や仙骨の周辺組織を温める効果が高いとされているため、月経期間が整わない方におすすめです。
子宮・卵巣の自然治癒力が高まる
ヨガを実践して骨盤周りが温められれば、子宮や卵巣の自然治癒力が高まったり、働きが活性化されたりする効果も期待できます。
子宮や卵巣の機能が低下していると女性ホルモンのバランスが乱れがちに。
ヨガの深い呼吸で体内にたっぷりと酸素を送り込み、酸素が含まれた血液を全身に行き渡らせることができれば、さらに子宮や卵巣などの内臓機能は活発になるはずです。
骨盤の開閉をスムーズにしてくれる
ヨガに骨盤の開閉をスムーズにしてくれる効果があるとされることも、生理早まる理由のひとつです。
普段の生活で骨盤周りの柔軟性を維持することは難しいものですが、ひとつめの理由でお話したとおり、ヨガには骨盤を大きく動かす運動効果があります。
そのため、生理中は股関節が開き、生理後に閉じるという本来のサイクルが実現されるようになり、生理周期が正常になるとされているのです。
リラックス&ストレス解消効果で心身が整いやすくなる
ヨガで生理早まる理由は、身体への影響だけではありません。ヨガを実践した際のリラックス効果やストレス解消効果により、精神的な安定が得られることも生理周期に影響を与える要素です。
最初に、ストレスが溜まると生理周期が乱れると解説しましたが、ヨガにはストレス管理や精神的・情緒的健康を改善する効果があると認められています[1]。
心の安定がもたらされることにより、生理周期が正常になり生理早まる可能性もあるでしょう。
自律神経が整えられ女性ホルモンバランスが改善される
最後にご紹介する生理早まる理由は、ヨガに自律神経を整える作用があることです。
自律神経はストレスや生活習慣の乱れなどでバランスが崩れてしまいがちですが、ヨガには自律神経を整える効果があります。
自律神経と女性ホルモンはどちらも脳から分泌されるため、自律神経のバランスが取れないと、女性ホルモンのバランスも乱れがちに。
交感神経と副交感神経のバランスを整えてくれるヨガは、女性の心身を健康に保ち、女性ホルモンバランスを改善するために効果的なエクササイズです。
ホットヨガをすると生理早まる?ヨガで生理不順になってしまう理由は?
ヨガで生理早まる理由として、ヨガには生理周期を整える効果があると解説してきましたが、実はホットヨガをすると生理が早まり、反対に生理不順になってしまう可能性があるとされています。
ヨガとホットヨガは似ていますが、なぜホットヨガだと生理不順になってしまうのでしょうか。
カラダが改善される前の好転反応が起きる
ホットヨガに取り組むと、身体が改善される前の好転反応として生理早まる可能性があります。
ホットヨガは体の中の老廃物を排出させ、体質改善をするためのヨガです。そのため、老廃物が排出され体質改善がはかられる過程において、一時的に体調が悪化する好転反応が起きることがあります。
ホットヨガの好転反応の中には「自立神経の乱れ」が含まれているので、一時的に自律神経のバランスが不安定になり生理周期が早まることもあるでしょう。
気温の変化により自律神経が乱れる
ホットヨガで自律神経が乱れるもうひとつの原因が、気温の変化です。
室温38~40℃、湿度55~65%の環境下で取り組むホットヨガは、日常的に過ごしている環境とは大きな違いがあります。さらに、高温多湿下で動くホットヨガでは汗を大量にかくため、スタジオから出たときに体は冷やされることに。
このようにホットヨガは気温と体温の上下が激しくなることから、体温調整に関連する自律神経のバランスが乱れがちになります。
特にホットヨガを始めたばかりの頃は自律神経のバランスを維持することが難しく、生理不順へとつながる可能性も考えられます。
月経不順やPMSにおすすめ!生理を正常にするためのムーンヨガ・陰ヨガを徹底解説
それでは、生理不順やPMSの症状に悩んでいる方に向けて、生理を正常にするためのムーンヨガや陰ヨガの概要とやり方について解説します。
生理周期はヨガで改善される可能性も高いので、生理の症状に悩まされている方はぜひ取り組んでみてください。
【ムーンヨガ】月経周期にあわせた動きで生理周期を改善
最初にご紹介するのは、女性ホルモンのバランスを整えることを目的として誕生した「ムーンヨガ」です。
生理周期を整えることに特化した効果を持つムーンヨガの概要とやり方について見ていきましょう。
ムーンヨガとは?
ムーンヨガには月経期・卵胞期・排卵期・黄体期と女性の生理周期にあわせたメソッドが用意されており、骨盤と血液のめぐりを整える効果があります。
骨盤周りの血流を改善することで子宮の働きを改善し、女性ホルモンのバランスを整えたり、精神的な安定を促してくれたりする効果が期待できるヨガです。
ムーンヨガのやり方
それでは、ムーンヨガは具体的にどのように実践していくのかやり方をご紹介していきます。
【月経期:骨盤の血行を改善する】
床に座り左脚を内側に折り、右脚を横に伸ばしたら背筋を伸ばしたまま上半身を右側に回転させる。左脚を後ろ側に折り膝に左肘を乗せたら、手のひらを上に返すように左膝に重心をかける。
【卵胞期:女性ホルモンの働きを活発にする】
左脚を後ろに引き前脚を軽く折って左手を腰に当てる。右手は右膝の上に置いて後ろを振り返る。そのまま左腕を肩から大きく後ろに回すように回転させながら、重心を前に移動させる。
【排卵期:骨盤底部の調整を行う】
仰向けに寝て腰の下にクッションを挟み、下半身を上へと持ち上げる。お尻を下から手で支え、両脚を「∞」マークを描くプロペラのように大きく動かす。
【黄体期:便秘解消・精神安定】
床に座り左脚は内側に曲げ、右脚はまっすぐ横に伸ばす。両手をげんこつにして頭の上でくっつけて、息を吸ったらそのまま3秒間呼吸を止める。弓を引くように右腕を横に伸ばし、左肘を横に向けて曲げたら右親指を見ながらゆっくりと深く息を吐く。
ムーンヨガは生理の時期にあわせて行うことで、女性のバイオリズムにあわせた効果が期待できます。それぞれの時期でポーズはひとつずつなので、まずは1ヶ月間、生理周期を意識しながら実践してみましょう。
【陰ヨガ】生理中のつらいPMS症状による悩みを改善
次にご紹介するのは「陰ヨガ」です。
陰ヨガは生理中に行うと効果的だとされており、月経痛が改善されるほか、精神的につらいPMSの症状を和らげる効果があるとも言われています。
陰ヨガとは?
陰ヨガとは動きが少ない「静的ヨガ」に分類されるヨガで、ひとつのポーズに3~5分間をかけるというほど活動量の少ないヨガです。
筋肉強化やダイエットには不向きですが、陰ヨガでは身体の奥深くにアプローチすることによって、心身ともに深いリラックス状態に陥れることが最大のメリット。
月経によって乱れやすい自律神経のバランスを改善する効果に優れているので、生理によるイライラ感や不安感に悩まされている方におすすめです。
陰ヨガのやり方
それでは陰ヨガのやり方についても見ていきましょう。
【バタフライポーズ:生理痛・生理不順・冷えの改善】
- 両足の裏を合わせるようにくっつけて床に座る
- 両手で足指をつかみ恥骨の方に寄せる
- 座骨を安定させたら息を吸いながら背骨を伸ばす
- 息を吐きながら上半身を前方に倒す
- 背筋をまっすぐ保ち続けられるまで倒したら背骨を伸ばすように意識する
- 呼吸数回分キープする
【ハッピーベイビーのポーズ:不安感・ストレス解消・血流改善】
- 仰向けになり両膝を胸の方に曲げる
- 股を腰幅程度に開く
- 両手で足の裏を外側からつかむ
- 息を吐きながら膝を腰幅より広めに開く
- 手のひらと足の裏が押し合うように力を入れる
- 30秒から1分ほどキープする
ヨガとともに排卵周期を整えるための食事&生活習慣も実践しよう!月経期ごとの過ごし方のポイントは?
ムーンヨガと陰ヨガのやり方や効果をご紹介しましたが、つらい症状をなるべく抑えながら正しい生理周期へと整えていくためには、ヨガとともに生活習慣や食事に気をつけることも大切です。
月経期ごとの過ごし方を見直せば、今までよりも気分よく生理を迎えられるようになるかもしれません。
【生理中】軽い運動とミネラル摂取を意識して体を休めよう
生理が始まったら、体の負担にならない程度の軽い運動を心がけながら、経血とともに失われる鉄分を中心にミネラルを豊富に摂取していくことがポイント。
ただし、生理痛やPMSの症状などでつらい思いをされる方も多いと思うので、ゆっくりと体を休めることも大切です。リラックスできる環境を整えましょう。
【卵胞期】有酸素運動やパワーヨガもOK!血糖値の上昇に注意して
卵胞期前期とは子宮内膜が少しずつ暑くなる増殖期にあたり、生理が終わってから1週間くらいの期間を指します。
エストロゲン(卵胞ホルモン)分泌量増加に伴い卵子を作る準備をする時期で、妊娠の予定がない人でも、黄体ホルモンを作り出すために栄養豊富な食事が求められる時期です。
炭水化物は控えめにしながら、脂肪とたんぱく質が豊富な食事を摂るように心がけてください。また、体は活動的な状態になっているので、激しい運動に取り組むのに最適な時期でもあります。
【排卵期】種子類を摂取しながらヨガやマッサージでコリをほぐそう
排卵期は生理が終わってから2週間後くらいの時期で、子宮内膜から分泌物が出始める分泌期が始まる頃です。
卵子が卵管を通る排卵日も含まれますが、卵子が通る頃には下腹部や腰のあたりに痛みを感じることも…。
もし痛みや違和感を抱いたら、ナッツ類やじゃがいも、オーツ麦などの食べ物を積極的に摂りながら、お尻やお腹に効くヨガやマッサージでコリをほぐして症状を和らげてください。
【黄体期】軽い運動をしながら体を温めしっかりと休むこと
生理直前にあたる黄体期は、生理に向けて体を整えるため、体を温めながらしっかりと休むことが大切です。
また、精神的に不安定になりやすい時期でもあるので、軽い運動をしてストレスを解消したり、ホルモンバランスを整えたりすることも効果的。体の様子を伺いながら、無理をしすぎないようにしましょう。
カフェインやアルコールを摂取するとイライラしやすくなるので、ビタミンとミネラルが豊富な野菜・果物。豆腐・納豆などが中心の食生活を送ると気分が楽になります。
ヨガをしても生理が改善されなければ婦人科へご相談を
ヨガには生理早まるなど生理周期を改善する効果が期待できますが、もしヨガをしても生理周期や経血量が改善されなければ必ず婦人科に相談するようにしてください。
生理に問題がある場合、子宮内膜症や子宮筋腫、機能性月経困難症、機能性出血、黄体機能不全、頻発月経などの可能性もあるため、ホルモン療法や薬物治療を受けなければならないケースもあります。
生理が来ないなら、妊娠検査薬を試してみても良いでしょう。
女性ホルモンや自律神経のバランスを整える効果やストレス解消効果。ヨガには女性の体を整える働きが期待されますが、婦人科系の病気を治癒させるものではありません。
ヨガを実践しながら様子を見つつ、検査を受けることも忘れないようにしましょう。
ヨガで生理早まるのはスピリチュアルではない!ホルモン分泌量をコントロールして周期&症状の改善を
精神安定作用のあるヨガは、更年期のイライラを抑えてくれる効果も期待できるので、更年期障害で悩んでいる方にもぜひ試していただきたい運動です。
ヨガを始めたら生理きたという方もいるので、予定日や低温期・高温期を把握するため基礎体温を記録している方もいるでしょうが、生理周期を整えるヨガやアーユルヴェーダによるケアも取り入れていけばより深くご自身の体を管理できるようになるはずです。
「痩せたら生理が早まる」という話も耳にしますが、痩せたことで生理が早まったのはダイエットによる頻発月経の可能性もあるので注意が必要。
また、「恋でドキドキすると生理が早まる」というのは、エストロゲン分泌量が増えることが原因で、科学的根拠があるようです。
生理が早まる原因は多々ありますが、ヨガは心身を整えることで安全に実施できる、確実性の高い生理周期改善方法です。
[1]参照:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』eJIM:ヨガ
[2]ステイシーデマルコ著/クイーンオブ・ザ・ムーンオラクル