最近はYoutube動画配信の影響もあり、自宅で気軽にヨガに取り組む女性が増えてきているようです。スタジオに行かなくとも、基本のポーズを習得して毎日の習慣にしている…という方も多いのではないでしょうか。
今回の記事ではヨガの中でも「むくみ解消」にスポットをあて、基本ポーズをご紹介していきます。
顔ヨガやマタニティヨガなどケース別で使えるヨガもご紹介するので、毎日のむくみがつらいとお悩みの方はぜひ参考にしてください。
ビーライフまりこの動画でも話題!ヨガにむくみ解消効果があるって本当?
毎日のつらいむくみに悩んでいる方にはヨガをおすすめします。むくみは直接的に身体に害を及ぼすものではありませんが、ひどくなると脚全体が張りすぎて歩く際に痛みを感じたり、脚の形が変わってしまったり…などの弊害も。
むくみを解消するための方法として、ストレッチやマッサージ、ツボ押しなどの方法も紹介されていますが、ヨガであればより効率的にむくみを解消できるだけでなく、むくみにくい体質を作り出すことも可能です。
ダイエット&美容の大敵!むくみが起きる5つの原因とは?
むくみ解消のためのヨガポーズを見ていく前に、まずはむくみが発生する5つの原因について確認しておきましょう。
ヨガを実践するとともに日常生活の中で原因を解消していければ、根本的なむくみ解消が実現するはずです。
ふくらはぎの筋肉が弱くなる
脚にむくみが発生する原因として、運動不足でふくらはぎの筋力が弱くなっていることが考えられます。
筋肉は心臓に血液を送り返すためのポンプの働きをしていますが、筋力が弱くなるとポンプ作用も弱くなり、ふくらはぎに血液やリンパ液が溜まりむくみが発生しやすくなるためです[1][2]。
座りっぱなしの姿勢を長時間続けている
ふくらはぎのむくみに困っているという方は、デスクワークをしている方が多いのではないでしょうか。座りっぱなしの姿勢を長時間続けていると、ふくらはぎの筋肉が動かないことからポンプ作用が弱まりむくみが起こります[1]。
筋トレメニューを実践して鍛えていたとしても、ずっと座ったままでは筋肉が使われずむくみが発生するのです。
冷えや血管への圧力で血流が悪くなっている
前の項目までで解説したとおり、むくみは血液やリンパ液が1か所に溜まることで発生します。
そのため、冷えや血管への圧力によって血流が悪化している際に起こることも。冷えは血流量の低下によって起こりやすくなることから[3]、血流悪化により引き起こされるむくみと関連する症状です。
女性の場合はストッキングや小さなサイズの下着による締め付けから血流が悪化している場合もあります。
塩分を多く摂りすぎている
塩分を多く摂りすぎているなど、食生活の影響からむくみやすい体質になる場合もあります。塩分を過剰に摂取すると、体内の塩分濃度を薄めようとする働きによって水分が体外に排出されにくくなるためです[4]。
1日中冷房による冷えにさらされながらデスクワークをし、お昼ごはんは塩分の強いジャンクフードやコンビニ弁当…という生活を送っている方は、むくみやすい条件が揃っていると言えます。
自律神経のバランスが乱れている
解説してきた4つの原因のいずれも当てはまらない方は、自律神経バランスの乱れからむくみが生じているのかもしれません。
自律神経は活動状態の交感神経とリラックス状態の副交感神経から成りますが、交感神経には血管を収縮させる作用があることから、交感神経優位な状態が続くと血流が悪化しむくみが発生する原因に[5]。
また、冷え症の方はリラックスしているときも副交感神経の活動が弱いことも報告されており[5]、自律神経のバランスによってむくみが生じる可能性は十分にあります。
【初心者でも簡単!】むくみを解消するヨガの基本ポーズ
それでは、つらいむくみを解消するためのヨガポーズをご紹介していきます。
初心者の方でも簡単に取り組めるふくらはぎの筋肉をゆるめてくれるポーズ、マタニティヨガから3つのポーズと、顔のむくみを軽減させる顔ヨガを徹底解説するのでぜひ挑戦してみてください。
寝る前1分の夜ヨガでスッキリ!自宅で取り組める足のむくみ解消ストレッチ
まずはふくらはぎのむくみを解消するヨガポーズです。いずれも仕事から帰った後、入浴後、就寝前の1分間だけで実践できるポーズなので、できそうなポーズから気軽に取り組んでみましょう。
サギのポーズ
「サギのポーズ」はふくらはぎを中心とした脚の筋肉全体を引き締め、血行を改善させる効果があるとされます。
むくみ解消のためにはもちろんのこと、美脚を目指したい方にもおすすめのヨガポーズです。
- 脚を伸ばして床に座る
- 左脚を後ろに折るように曲げる
- 右膝を立てて両手を左の足裏に添える
- そのまま左脚を伸ばしながらゆっくり上へと持ち上げ開脚
- 片足を伸ばした状態で30秒キープ
- ゆっくり元の姿勢に戻ったら反対側も同様に行う
鳩のポーズ
次にご紹介するのは、股関節へのストレッチ効果が高い「鳩のポーズ」です。股関節・太もも裏・お尻など下半身に効きます。
足裏を頭につけるバージョンもありますが、今回はより難易度の低い前屈ポーズのご紹介です。
- 左脚を後ろに伸ばす
- 右脚はかかとをまたにつけるようにして前で深く曲げる
- 骨盤は正面に向けまっすぐ保つ
- 両手を伸ばしながら上半身を前に屈伸させる
- おでこが床につき膝裏・腿裏が伸びた状態で30秒キープ
- ゆっくり元の姿勢に戻ったら反対側も同様に行う
三日月のポーズ
「三日月のポーズ」は脚のむくみ・骨盤の歪み・全身の疲労感を解消してくれるだけでなく、疲れにくい体を作るためにも役立ってくれるヨガポーズです。
柔軟性の低い方でも取り組めるため初心者の方に適しています。
- 両手・両膝を床について四つん這いになる
- 膝は腰幅に開く
- 右脚を前に出して膝を立て、足首の真上に膝がくるようにする
- 右膝に両手を置いて上半身を起こし姿勢を正す
- 両手をゆっくりと真上に上げて上半身を後ろに反らし30秒キープ
- ゆっくり元の姿勢に戻ったら反対側も同様に行う
妊娠中のつらいむくみを解消するマタニティヨガ
次にご紹介していくのは、妊娠中に特有のむくみを解消してくれるマタニティヨガです。支える体重が増えること、体内に水分を蓄えようとするホルモンの作用の両方によってむくみやすいのが妊娠中。
お腹が大きくなっても安全に取り組める簡単なポーズを厳選したので、毎日少しずつ実践してみてください。
キャットアンドカウ
「キャットアンドカウ」は、妊娠中に反りがちな背中の筋肉をほぐし、全身の血流を改善させられるヨガポーズ。
本来であれば猫のように反る姿勢が取り入れられていますが、お腹が大きくなっている場合は背中を反らせず、まっすぐにするだけにしましょう。
- 肩の真下に両手、骨盤の真下に両膝をついて四つん這いになる
- 息を吐きながら床からお腹を遠ざけるように背中を丸める
- 頭はおへそを見るように体の下に入れる
- 息を吸いながら背中をまっすぐにする
- 5~6回繰り返す
足先を伸縮させるポーズ
床に座ったまま誰でも実践できる「足先を伸縮させるポーズ」は、ふくらはぎのコリやむくみ改善に効果的。
テレビを見ながら気軽に取り組めるので、思い立ったときにスキマ時間を使い、呼吸にあわせて行ってください。
- 両脚を揃えて伸ばし床に座る
- 両手をお尻の後ろにつく
- ゆっくりと息を吐きながらつま先をゆっくりと伸ばす
- ゆっくりと息を吸いながら足裏を反らせるようにつま先を上げる
- 4~5回繰り返す
英雄のポーズ
「英雄のポーズ」は座ったまま行え、出産後に緩みやすい骨盤底筋を引き締める効果を期待できるヨガポーズです。
膣や肛門のあたりを締めるよう意識して行いましょう。
- 正座の状態から両足を開きお尻を足の間に入れる
- 両手をお尻の後ろにつく
- ゆっくりと息を吸いながら正面を向き背筋を伸ばす
- ゆっくりと息を吐きながら胸を突き出すように背中を反らせる
- 4~5回繰り返す
顔のむくみ&アンチエイジングに効果的な「顔ヨガ」
最後にご紹介するのは、顔のむくみ解消に効果を発揮する「顔ヨガ」です。
顔ヨガは効率的に表情筋を鍛えてくれることから、たるみを予防する効果もあると言われます。
準備ステップのリンパマッサージは、スキンケアで肌を整え、クリームやオイルを塗ってすべりを良くしてから行いましょう。
STEP1:首周り~フェイスラインにかけてリンパを流す
顔ヨガの効果を高めるために、まずは首周りのリンパを流すマッサージから始めます。
鎖骨の周辺にはリンパが集中しているので、メイク前に行えばマッサージだけでも老廃物が流され、むくみが改善されることもあるはずです。
- 人指し指と中指を肩の先端にあてる
- 肩から後頭部に向かって少し強めに指を滑らせる
- 人指し指と中指を耳裏にあてる
- 耳裏から鎖骨中央のくぼみに向かって少し強めに指を滑らせる
- 4~5回繰り返す
- 反対側も同様に行う
STEP2:フェイスラインをほぐすマッサージ
首周りのリンパを流したら、次はフェイスラインをほぐすためのマッサージを行いましょう。
顔のむくみを解消してくれるだけでなく、スッキリと引き締まったフェイスラインを実現させるためにも効果的です。
- 人指し指と中指でアゴの先端をつまむ
- アゴの先端から耳裏まで人指し指を少し強めに滑らせる
- 耳裏から鎖骨中央のくぼみに向かって少し強めに人指し指を滑らせる
- 4~5回繰り返す
- 反対側も同様に行う
STEP3:顔ヨガを実践して表情筋を鍛える
2種類のマッサージが終わったら、いよいよ顔ヨガの実践です。口角から目元にかけて広がる「大頬骨筋」を引き締める効果が高く、「三日月のポーズ」を取り入れながら行うことで、顔だけでなく全身の血流とリンパの流れを改善します。
- 床に両膝をついて右足だけ前に出す
- 左足の甲は床につけて、右膝はかかとの真上にくるように曲げる
- できるだけ大きな動きで「エ」と「オ」の口の形を繰り返す
- 「エ」の形で口角を引き上げ、目を見開いたままキープ
- 口角をさらに引き上げるように意識する
- 元の表情に戻り背筋を伸ばしながら息を吸う
- 息を吐きながら全身の力を抜く
- 息を吸いながら両手をゆっくりと真上に上げて上半身を後ろに反らし30秒キープ
- 息を吐きながら元の姿勢に戻ったら反対側も同様に行う
全身のむくみ・足の疲れもヨガで解消!おすすめポーズのエクササイズで美脚を手に入れて
むくみ解消にスポットをあててヨガの基本ポーズをご紹介してきましたが、筋肉や関節をほぐし、伸ばしてあげるだけで不思議と頑固なむくみも改善されていくものです。
1日働いて頑張ったカラダをヨガで伸ばしてあげれば、心も体もリフレッシュして、むくみを一瞬でとる効果や美脚効果も期待できるかもしれません。
ヨガやピラティスにはゆがみ解消効果・リラックス効果もあり、ゆがみが改善されることでむくみにくい体質になれる可能性があることもポイント。
まずは今回の記事でご紹介した内容を実践してみて、「もっと本格的に学びたい」と思われたら、インストラクターによるヨガコースレッスンを検討されてみてはいかがでしょうか。
[1]参照:国立研究開発法人国立長寿医療研究センター:足の腫れむくみの原因は?
[2]参照:JSTAGE:浮腫の基礎
[3]参照:JSTAGE:「冷え性」の概念分析
[4]参照:国立循環器病研究センター病院:食事療法について
[5]参照:JSTAGE:冷え症の生理学的メカニズムについて