登山中に地図やコンパス、高度計、時計…と、個別に確認するのはなかなか面倒で大変なことです。
しかし、スマートウォッチがあればひとつですべての情報が確認できることをご存知でしょうか?
スマートウォッチは普段使いにも便利ですが、登山やスポーツなどのアウトドアシーンで真価を発揮するもの。
そこで今回の記事ではおすすめのスマートウォッチと、登山で便利に使える10の機能、スマートウォッチの選び方について解説します。
登山中に便利なスマートウォッチ!魅力的な10の便利な機能を徹底分析
それではさっそく、スマートウォッチにはどのような魅力的な機能が備わっているのか解説していきます。
登山に役立つ機能を中心にご紹介しますので、スマートウォッチを選ぶ際の基準として参考にしてください。
便利な機能1:GPS機能で現在位置の情報を得られる
登山中に最も役立つスマートウォッチの機能は、やはりGPSで現在地付近の情報が得られることでしょう。
地図の確認・ルート表示・ナビゲーション・行動記録と役立つシーンは数え切れません。
スマートウォッチを使うことで、道迷いや遭難などの登山におけるリスク回避・安全性の確保がしやすくなります。
便利な機能2:登山ルートの記録ができる
スマートウォッチのGPS衛星機能は、登山ルートの記録に大活躍してくれるはずです。
歩いた道筋を距離とともに自動的にデータとして記録してくれるため、自分で山行記録をつける必要がなくなります。
データをずっと保存しておけば、同じ山に登るときの参考資料としての確認も簡単になるでしょう。
便利な機能3:取り込んだ登山計画でマップを表示できる
スマートウォッチを使えば、取り込んだ登山計画でマップを表示させることもできます。パソコンで作成・修正したプランをスマートウォッチに取り込むと、山の平面図や高低図が表示させることが可能。
すべてのモデルに搭載される機能ではありませんが、スマートウォッチを使う目的が登山であれば、ぜひ搭載されていてほしい機能です。
便利な機能4:防水性が高くアウトドア目的にピッタリ
スマートウォッチやスポーツやアウトドア時の利用を前提にしたアイテムが多く、防水性が高いことも魅力のひとつです。
天候が変わりやすい山では、急な激しい雨に見舞われることも少なくありません。防水性の高いスマートウォッチは、登山中の急な雨や水場での手洗いにも対応しており登山に最適です。
便利な機能5:気圧・温度・高度表示で登山がより安全に
登山時にチェックしたいのは地図やルートだけではありません。
気圧・気温・高度などを表示する機能がついたスマートウォッチは多く、手元を見るだけで登山時に必要な情報をすべて確認可能に。
気圧の変化を確認できれば、その場の天気を予測しやすくなるはずです。中には日の出・日の入り時刻の表示や傾斜を表示するモデルもあります。
便利な機能6:心拍数・消費カロリー計測機能つきで体調管理に役立つ
身体管理機能が搭載されていることもスマートウォッチの特徴のひとつ。中でも登山中に役立つのは「心拍数計測機能」。
心拍数は体への負荷を表すため、体力や登山ペースを調整するために役立ちます。
また、「消費カロリー計測機能」が搭載されていれば、行動食のエネルギー量が十分か確認可能です。
便利な機能7:コンパス機能搭載なら道迷いのリスクも軽減
登山でスマートウォッチを使うなら、コンパス機能が搭載されているモデルが圧倒的に高い利便性を持つと感じられるはず。
登山地図を読むために必携品であるコンパス。常に手元でコンパスを確認できるようになれば、「気づかないうちにルートを外れてしまっていた」というリスクを減らすことにつながります。
便利な機能8:夜間視認性が高く暗くなった山でも見やすい
スマートウォッチに搭載されている機能は、他のものでも代用できます。しかし、スマートウォッチにはバックライトがついているため夜間視認性が高く、暗くなった山でも情報を確認しやすい点がメリット。
コンパスや地図を確認するためにヘッドライトや懐中電灯を使うのは手間取りますが、スマートウォッチならさっとすぐに確認できます。
便利な機能9:ソーラー充電でバッテリー補充ができる
どれほど便利な機械であっても、バッテリーが切れてしまえば役立ちません。スマートウォッチにはソーラー充電機能が搭載されたモデルも多く、バッテリーの心配をすることなく安心して使えます。
登山中は基本的に太陽光の下にいるでしょうから、予備のバッテリーなど余分な荷物を増やすことなく使用可能です。
便利な機能10:yamapの「ヤマレコ」などアプリをインストールできるモデルも
スマートウォッチを活用している登山者の方から高い支持を得ているのが、yamapの「ヤマレコ」をインストールできるモデルです。
「ヤマレコ」アプリをインストールすれば、「みんなの足跡」や予定ルートから外れたときの警告などがスマートウォッチ上で確認可能に。精度の高い正確な地図が見られるようになります。
もちろん、他の便利なアプリをインストールできるモデルも人気です。
登山用スマートウォッチはどう選ぶ?選び方の4つのポイント
登山者にとって魅力的なスマートウォッチの機能性を解説してきましたが、すべてのスマートウォッチが登山に適しているわけではありません。
それでは、どのようなモデルを選ぶべきなのでしょうか?
登山用スマートウォッチを選ぶ際には、次の4つのポイントをチェックしてから判断してください。
選び方1:必要な機能性が搭載されている
まずは必要な機能性が搭載されていることを確認しましょう。
登山でスマートウォッチを使うなら最低限、次のような機能が揃うモデルを選ぶのがおすすめ。
- 気圧計測
- 高度計測
- コンパス
- GPS
以上の4機能が搭載されていれば、登山時に使うための基本的性能は満たされていると言えます。
あとは、ご自身にとって必要だと思われる機能や重視する機能が揃っていることを確認し、より利便性の高いモデルへと絞り込んでいきましょう。
選び方2:耐久性・防水性が高い
山という過酷な状況でスマートウォッチを使用するなら、耐久性と防水性の高さも欠かせません。
岩肌に擦れたり急な雨が降ってきたり…山の環境にさらされただけで壊れてしまえば登山用としては不十分です。
防水性や防塵性などの高さはモデルにより異なるため、どの程度の性能であるかを事前に確認して選びましょう。
選び方3:充電が簡単にできるモデルを選ぶ
充電方法が簡単であることも登山用スマートウォッチ選びで重要なポイント。スマートウォッチの電源方式には、次の3種類があります。
- ソーラー充電:太陽光を受けて自家発電するタイプ
- 充電式:コンセントなど電源から充電するタイプ
- 電池式:充電はできず電池を内蔵するタイプ
前述のソーラー充電が最も使いやすいでしょうが、登山前に太陽光にあてて充電しておくなどの管理が必要です。
充電式はスマートフォンなどと同じく、コンセントからの電源供給により充電するタイプ。
長時間の登山であれば途中でバッテリー切れになることもあり、モバイルバッテリーを持ち歩くなどの対策が必要となります。
一方、電池式は日頃の管理は不要でいつでも使えますが、万が一、登山中に電池がなくなったらもう使えません。
電池式は電池切れの不安がありおすすめできないため、充電式・ソーラー充電のいずれか使いやすい方を選んでください。
選び方4:予算と相談して選ぶ
スマートウォッチ選びには予算と相談することも大切です。スマートウォッチは決して安い買い物ではありません。
必要な機能性が搭載されていなければなりませんが、機能の多さと価格は比例する傾向があります。
ご自身にとって本当に必要な機能を絞り込み、予算に見合う有用なモデルを見つけることが上手な買い物のコツです。
【2021年最新比較】安い高性能モデルも!登山におすすめの良コスパスマートウォッチ
登山に便利なスマートウォッチの機能性と、選び方のポイントについてマスターできたはずです。
それではここから、数あるスマートウォッチの中でも登山におすすめのモデルをご紹介していきます。
【ガーミン】フェニックス インスティンクト
GPSデバイスメーカーとして、アウトドア好きな方から絶大な人気を誇るガーミン。
「フェニックス インスティンクト」シリーズからは多くのモデルが販売されていますが、レンズには化学強化ガラスを採用しており、「アメリカ国防総省MIL規格『MIL-STD-810G』準拠」というミリタリーグレードを取得しているタフさが魅力です。
バッテリーの保ちも良く、エコモードに変更すれば最大64日間も稼働できるモデルもあります。
【ガーミン】フェニックス インスティンクト | |||
参考価格 | モデルにより異なる | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【ガーミン】Enduro Steel
登山で必要となる計測機能だけでなく、GPS・心拍数測定・水分補給トラッキング・エネルギーモニターなど豊富な機能が搭載された高性能モデル。
Suicaなどのキャッシュレス決済にも対応していて、日常シーンでも役立つはず。また、危険な場面では援助要請・緊急連絡先への位置情報送信が行われるので、万が一の遭難や道迷いの際にも心強い存在となります。
【ガーミン】Enduro Steel | |||
参考価格 | 104,500円(税込) | ||
電源方式 | ソーラー充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【カシオ】プロトレック クライマーライン PRW-60YJP-1JR
カシオの「プロトレック クライマーライン PRW-60YJP-1JR」は、フリークライミング協会が公認しており、登山に必要な機能が多く揃っている時計です。
温度・気圧・高度・方位のすべてを計測でき、10気圧と防水性能が高いことから山の厳しい環境にも対応します。
シリコン素材のベルトで汗に強く、つけ心地が良いことも特徴のひとつ。価格は少々高いですが、機能性の高さを考えれば納得の本格派スマートウォッチです。
【カシオ】プロトレック クライマーライン PRW-60YJP-1JR | |||
参考価格 | 67,100円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【カシオ】プロトレック キャンパーライン PRG-30-5JF
前項でご紹介したカシオのプロトレックシリーズから、価格を安く、機能性をシンプルにした製品です。
気圧の変化に特徴が見られた際に、気圧の変化が起きた場所を矢印で示す、警報音を鳴らす機能が特徴的。
また、東西南北をグラフィックで表示してくれるので、簡易的なコンパスとしても役立つでしょう。
【カシオ】プロトレック キャンパーライン PRG-30-5JF | |||
参考価格 | 30,800円(税込) | ||
電源方式 | ソーラー充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【カシオ】G-SHOCK MASTER OF G – LAND MUDMASTER GG-B100-1A3JF
スポーツウォッチとして定番のカシオ「G-SHOCK」。実は方位・高度・気圧・温度を計測可能なモデルも販売されています。
時計が記録した経路はスマホアプリに保存されるようになっており、登山記録を自動的に記録してくれるすぐれもの。
耐衝撃性・耐振動性が高いG-SHOCKの特徴を活かしながら、防塵・防泥構造で開発されたことから山の過酷なシーンでも壊れてしまうリスクが大幅に軽減されました。
【カシオ】G-SHOCK MASTER OF G – LAND MUDMASTER GG-B100-1A3JF | |||
参考価格 | 49,500円(税込) | ||
電源方式 | ソーラー充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【スント】SUUNTO7
「SUUNTO7」はスマートウォッチの中でも、登山者から高い支持を得るモデルとして有名。
登山専用ではないものの、地形情報や等高線、オフラインマップを表示させられ、画面をスワイプするだけで多くの情報が得られます。タッチ・スワイプは手袋をつけていても反応するため、雪山でもスムーズに操作が可能。
睡眠分析やToDoリスト表示、スマホの着信コールなど、日常の腕時計として活用できる機能も満載です。
【スント】SUUNTO7 | |||
参考価格 | 45,430円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○※ | コンパス | ○※ |
※Google Playから入手できるオプションです
【アップル】Apple Watch Series 6
スマートウォッチの代名詞と言っても過言ではないのがアップルの「Apple Watch」です。
日常のアクティビティ計測・記録を目的としていますが、シリーズ6では血中酸素濃度や心電図を計測可能に。手元で簡単に登頂中の身体管理ができるようになれば、標高の高い山での高山病リスクを減らせます。
気分により別売りのバンドを変えられ、ダウンロードできるアプリも多く、iPhoneを使っている方なら連携させて日常のシーンでも便利に使えるスマートウォッチです。
【アップル】Apple Watch Series 6 | |||
参考価格 | 47,080円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○※ |
※コンパスアプリインストールにより利用可能です
【EZON】ハイキングウォッチ
EZONの「ハイキングウォッチ」は、20,000円を下回る安いスマートウォッチながら、コンパス・高度・気圧・温度を計測でき、さらに日の出・日没時間や天気予報を確認できる登山に最適なモデルです。
耐傷性・耐久性・耐水性もあり、山でも問題なく使用できます。ただしGPS機能は搭載されていないので、各種データを計測したい方におすすめです。
【EZON】ハイキングウォッチ | |||
参考価格 | 19,150円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【LAD WEATHER】SENSOR MASTER lad004
「SENSOR MASTER III」は登山シーンでの利用を想定して設計・開発されたスマートウォッチです。
性能としては前項で解説した「ハイキングウォッチ」と似ており、ドイツ製のセンサーにより高度・気圧・絶対光度・温度などを計測しディスプレイに表示するというもの。
ただし、ラップタイム測定機能が搭載されているので、登山以外のトレーニングシーンでも役立つでしょう。
【LAD WEATHER】SENSOR MASTER lad004 | |||
参考価格 | 14,800円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | ○ | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
【ポラール】ポラール グリットX
アメリカ国防総省MIL規格「MIL-STD-810G」に準拠したタフさを兼ね備えるスマートウォッチとして、登山者から人気を得ているモデル。
速度・距離・高度から山の起伏を判断し、ルートを記録してくれる上に、行動中のパフォーマンスも分析可能。
一度充電したら最大7日間に渡り稼働するので、長時間の登山でもバッテリーの心配はありません。
【ポラール】ポラール グリットX | |||
参考価格 | 65,780円(税込) | ||
電源方式 | 充電式 | ||
温度計 | × | 気圧計 | ○ |
高度計 | ○ | コンパス | ○ |
スマートウォッチはヤマレコも使えて登山で大活躍!コスパの高いモデルを狙おう
スマートウォッチは登山者にとって必要な情報が、ディスプレイを見るだけで確認できるという便利なアイテム。
最初は手元での情報確認に違和感を覚えるかもしれませんがすぐに順応します。登山シーンにおける頼れる相棒としてスマートウォッチを準備すれば、きっともう手放せなくなるはずです。
番外編としてGPS機能のないモデルも紹介しましたが、各モデルとも採用される技術によりスマートウォッチとしての指針が決まっているため、ご自身が必要とする機能が搭載される製品を選ぶことが最も大切です。
もちろん、デザインやサイズも含めてお気に入りのものを選びましょう。