登山ウェアの中で最もポイントとなる部分をご存知ですか?それは「インナーウェア」です。
機能的なアウターを揃えたとしても、インナーウェアの機能が不足していれば快適な登山はできません。
そこでこちらの記事では、登山用インナーを選ぶときのポイントを踏まえた上で、専門家もおすすめするインナーウェアを季節別・アイテム別でご紹介します。
登山ウェアで最も重要!インナーウェアの役割とは?
また登山インナー買いまくった(^_^;)
ワークマンだとこれだっけ買って4700円なんでワークマンはドラスタ。 pic.twitter.com/6jvr7Qa5OO
— 廣島リウジBAND® (@mimi3310mtg) April 6, 2020
数ある登山ウェアの中でも最も重要だとされるのがベースレイヤーやアンダーレイヤーとも呼ばれるインナーウェア。
インナーには夏用と冬用の2種類があり、それぞれ季節によって役割が変わります。
インナーウェアの役割
夏のインナーウェアの役割
夏のインナーウェアの役割は、効率よく汗を吸い取って、汗冷えを起こさせないようにすることです。
登山中にかいた汗をそのまま放っておくと体が冷えてしまいます。
夏なら大丈夫と思われるかもしれませんが、標高の高い山は平地よりもかなり気温が下がるため危険です。
また、夏の強い紫外線から肌を守り、怪我や虫刺されを防ぐこともインナーの役割です。
機能性の高い登山用のインナーには、疲れを軽減してくれる効果を持つものもあります。
冬のインナーウェアの役割
冬のインナーウェアの役割には、「防寒」が加わります。夏よりも寒さが増す冬の山では、保温性のあるインナーが防寒の要です。
アウターよりも肌に近い部分にあるインナーは、低体温症から体を守るために大切な役割を果たします。
その他、紫外線や怪我の予防、疲労軽減効果などは夏の場合と同じです。
冬山には虫はいませんが、雪は紫外線を反射するので、夏と同じように紫外線対策が欠かせません。
インナーウェアを選ぶときの4つのポイント
夏・冬ともに大切な役割を果たすインナーウェアを選ぶときには、4つのポイントに注目して選ぶようにしましょう。
これらのポイントが満たされていないと、インナーとしての機能が不十分になってしまいます。
インナーウェア選びのポイント
吸汗性・速乾性がある
汗をかいたときにすぐに吸い取り、素早く乾くことは最も重要なポイントです。
インナーが汗を吸い取ってくれても、乾きにくければ蒸れの原因になってさらに汗をかきやすくなってしまいます。
また、気温の低い環境で乾きにくいインナーを着ていれば、冷えた生地が体温を奪い危険です。
吸水性・速乾性の高さはインナーの素材によって決まるため、素材の特徴を知っておくようにしましょう。素材については次の項目で詳しくご説明します。
動きやすい
動きの大きい登山ですから、動きやすいことも大切です。
トレッキングパンツやフリースでストレッチ性のあるものを選んだとしても、一番内側に着るインナーが動きを邪魔すれば意味がありません。
動きにくければ行動中の怪我にもつながるので重要な部分です。
伸縮性のあるストレッチ素材を選べば問題ありませんが、縫い目が少ない、体に適度にフィットする形状など、快適性を重視しているタイプのインナーをおすすめします。
保温性が高い
山は標高が100m上がるごとに、気温が0.6℃下がります。
夏の低山登山なら保温性を重視する必要はありませんが、冬場のインナーは十分な保温性を兼ね備えているべきです。
登山用のインナーはさまざまな方法で保温性を高める工夫を施しています。
遠赤外線効果が備わっている素材を使っていたり、インナー自体の構造によって暖かさを溜め込みやすくなっていたりするので、保温性能の高さに注目して選ぶようにしましょう。
抗菌防臭効果がある
行動中にはたくさん汗をかきますから、抗菌防臭効果のあるインナーが理想です。汗をかいて蒸れたインナーはニオイを発します。
自分だけでなく周りの人のことも考え、快適に登山できるよう気を配りたいものです。
夏は気温が高いので汗をかきますが、冬も重ね着をするので想像以上にたくさんの汗をかきます。汗によるニオイ対策は年間を通して行いましょう。
インナーウェアにおすすめ素材
みなさん おはようございます😸
いつも♡・RT・Followありがとうです🎶
仕事用インナー買いました。冬季登山用のスーパーメリノウールを買う予定だったけど 店員さんと話して これからの季節を考えると このジオラインで充分対応できるとの事なので 決定しました。
今から お仕事楽しみです😊😊😊 pic.twitter.com/iDnpSN7kmg— ヴァイオレット (@Minette2323) April 18, 2019
吸水性・速乾性は素材で決まるとご説明しました。それではインナーウェアにおすすめの素材は一体どのような素材なのでしょうか。
「この素材であれば間違いなく安心」と言える2つの素材をご紹介します。
安心素材
ポリエステル
化学繊維は全般的に吸水性・速乾性に優れていますが、中でもおすすめなのは「ポリエステル」です。
ポリエステルは水となじまない「疎水性」の素材として代表的で、肌の上の汗を素早く吸い取るうえに乾きやすいという特徴があります。
登山ウェアの専門メーカーでは、各社がポリエステル素材のインナーを発売しています。
登山用インナーとしては一般的なので、選択肢も多く選びやすい素材です。
メリノウール
メリノウールとはメリノ種の羊の毛のことで、普通の羊毛とは違った特徴があります。
通常の羊毛よりも毛が細いため生地が薄くて動きやすく、水分を含んだ状態でも保温性をキープできるというところです。
ポリエステルのような速乾性はありませんが、汗を吸湿しても汗冷えが起こることはありません。そのため冬の登山には最適な素材です。
夏はポリエステル、冬はメリノウールと使い分ければ快適な登山が実現するでしょう。
インナーウェアで避けるべき素材
ポリエステルとメリノウールがおすすめである一方で、インナーウェアの素材として避けるべき素材も存在します。
ポリエステルやメリノウールとは正反対の特徴を持つ「レーヨン」と「綿」のインナーだけは避けましょう。
NGな素材
レーヨン
レーヨンはポリエステルと同じく化学繊維ですが、とても吸水性が高く乾きにくい素材です。
つまり肌の上の汗を素早く吸い取ってくれるのですが、吸湿しすぎると水分をそのまま繊維の中に溜め込み、体温を奪ってしまいます。
レーヨンは夏の洋服によく使われる素材です。シルクのようなさらっとした手触りで、冷たい感触が夏のインナーとして最適に思われますが、速乾性がないため登山用としては適していません。
綿(コットン)
綿は天然素材の中でも吸水性が高いことで知られていますが、レーヨンと同じく「乾きにくい」という特徴があります。
汗を吸い込んだ綿は繊維自体が重くなり、動きやすさを邪魔しますし、体温を奪うので特に冬の登山では危険です。
綿はさらっとした感触で心地よいですが、登山ウェアとしては避けるようにしましょう。
配合分量が少なければ問題ないでしょうが、綿の割合が多いもの注意してください。
専門家もおすすめ!登山に最適なインナーウェア
モンベルにジオラインっていう最高の防寒インナーを買いに行きました。
ユニクロの極暖は蒸れてベタつくのでちょっと奮発しちゃった。
ついでに赤のフリースあったので買ってしまったw pic.twitter.com/kgDgTjQig9— ふくまる大将 (@fukumarutaishou) December 26, 2019
それでは登山に最適なインナーウェアを、季節ごとにメンズ・レディースにわけてご紹介します。
機能性タイツと女性用下着もピックアップしたので、登山用インナーウェア選びで悩んでいる方は参考にしてください。
おすすめインナーウェア
夏登山におすすめのトップス
【メンズ】モンベル ジオライン L.W. ラウンドネックシャツ
モンベルのジオラインシリーズは「機能性素材ジオライン」を使用し、登山用Tシャツとして大人気です。
「ジオライン L.W.」は保温性と吸汗性を両立していて、肌を常に快適な状態にしてくれます。行動中は汗をかいて、休憩中は涼しさを感じる登山には最適なインナーです。
ハイネックタイプは首元を温めてくれるところもメリットですが、夏山の虫対策としても有効です。また夏の強い紫外線から首元を守ってくれます。
【メンズ】ワークマン クロスワーク接触冷感カモフラミドルネック
ワークマンのアウトドア・スポーツ用ブランドである「ファインドアウト」は、リーズナブルな登山ウェアを求める方から支持を集めています。
980円という価格の安さながら、メッシュ素材で通気性が良く、背中部分はクロス設計で動きをサポートしてくれるところが特徴です。
さらに紫外線を90%以上もカットしてくれるという機能もあり、夏の登山用インナーとして申し分のない機能性を誇ります。
【レディース】モンベル ジオライン L.W. タンクトップ
「機能性素材ジオライン」を採用した、モンベルの「ジオライン L.W. タンクトップ」です。
吸水性・速乾性に優れ、平均重量は55gと軽量で、ウォータースポーツにも使えます。日常的なアンダーウェアとして活用しても快適です。
薄くストレッチ性のある素材は動きやすく、登山の重ね着にも対応してくれるところもメリットです。
制菌効果も兼ね備えており、女性の悩みとなる汗のニオイも気になりません。
【機能性タイツ】ワークマン ライジングトレイルタイツ
ワークマンの「ライジングトレイルタイツ」は、裏起毛で肌触りがよく保温性がありますが、ポリエステル90%配合で汗をかいても安心です。
さらに、肌にフィットするストレッチ素材は筋肉の余分な揺れをなくし、スポーツ時の動きやすさをサポートします。
メンズ用のタイツとしてはおしゃれ度も高く、色鮮やかな配色とスタイリッシュなデザインで、コーディネートのポイントとしても使える一品です。
登山用タイツ
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冬登山におすすめのトップス
防寒アイテム追加しにモンベル
ジオラインはいくつか所有してるが
メリノウール持ってないので
何か買おう pic.twitter.com/Wfe76ViZ2C— マルジXR3 (@NON02hRlEVoJ5bs) November 12, 2020
【メンズ】モンベル ジオライン EXP. ハイネックシャツ
「ジオライン EXP.」は、生地と生地の間に空間を作り、暖かな空気を溜め込む三層構造で熱を逃しにくくしています。
繊維に練り込まれたセラミックの遠赤外線効果によって、より保温性を高めています。
「EXP.」シリーズはモンベル製品のの中でも厚手ですが、平均重量234gと軽量で、ストレッチ性もあり重ね着してももたつくことはありません。
【メンズ】モンベル メリノウール トレールシャツ
登山用として優れた素材であるメリノウール100%の山シャツで、厳密に言えばインナーではなく、冬登山でインナーの上に着用します。
肌に直接触れる襟と袖口は裏起毛になっていて、暖かく肌触りが良いことが特徴です。
ウール100%ですが縮まないように作られているため、洗濯機で洗濯できるところもポイントが高くなっています。
もちろん、普段着として日常使いもでき、汎用性の高いアイテムです。
【メンズ】ブレイキスト ハイブリッド裏起毛 コンプレッションシャツ
ブレイキストの「BLACK LINEシリーズ」は動きやすさとコストパフォーマンスの高さで定評があります。
ハイブリッド裏起毛で保温効果を高め、スポーツにも適した吸汗速乾スパンデックス配合なので快適な着用感が持続します。
【レディース】モンベル ジオライン EXP. ラウンドネックシャツ
「ジオライン EXP.」はメンズだけでなく、レディースでも展開されています。
レディースもメンズと同様に三層構造となっていて、暖かな空気でしっかりと寒さを防いでくれる優秀な防寒着です。
ハイネックではありませんが、薄手・中厚手のジオラインラウンドネックシャツよりも、襟が狭く作られているので、首元の動きやすさを確保しながら防寒性を高めたいという方に適しています。
【機能性タイツ】モンベル ジオライン EXP. タイツ
こちらもモンベルの「機能性素材ジオライン」を使用した厚手のタイツです。
三層構造・セラミックによる遠赤外線の効果を持ち、マイクロファイバー使用で体温を逃しません。
厚手のタイツですが優れた伸縮性を持っているため動きやすさは抜群です。
レディース用・メンズ用ともに販売されていますが、メンズ用には前開き付きで、トイレのときの面倒もありません。
登山におすすめのスポーツブラ
登山用スポーツブラには、モンベルの「ジオライン メッシュ スポーツブラ」がおすすめです。
ジオラインのメッシュ素材を使用して通気性が良く、しっかりとしたカップがバストをホールドし、揺れを最小限に抑えます。
ホールドするのにアンダー部分は締めつけが少なく、行動中に食い込んで苦しくなる心配もありません。
12種類のサイズ展開で、ぴったりなサイズを見つけやすくなっています。
コスパ良好!初心者には安いユニクロ製品もおすすめ
登山用のインナーウェアは優れた機能性を誇りますが、その分少し価格が高めなので、初心者の方が一気に買い揃えるのは難しいものです。
そのため最初はコスパの高いユニクロ製品も活用してみましょう。
ユニクロ
真夏の登山ならエアリズム
真夏の登山なら、軽量で通気性の良い「エアリズム」シリーズが最適です。ドライ機能や抗菌防臭効果などの機能が備わっています。
機能的なうえにバリエーション豊富で、タンクトップや長袖など好みにあわせた形状を選べ、圧倒的にリーズナブルなところが魅力です。
冬の登山なら宿泊用にヒートテック
ユニクロの代名詞とも言える「ヒートテック」は防寒対策に適していますが、冬の宿泊用のみとして使ってください。
その理由は、素材にレーヨンが配合されているからです。保温性や吸湿性、発熱性は良いですが、汗を吸い込むと乾きにくくなるため行動中の着用は避けましょう。
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汗冷え対策にはインナーウェアがポイント
ちょっと向こうに雪雲が☃️グンマー朝ラン🏃♀️汗冷えしない登山系インナーの機能は素晴らしいぃ🏔あ、靴下はワークマンですが😆 pic.twitter.com/uZ9shmJc2J
— 青木宣篤 (@Nobuatsu_Aoki) January 8, 2019
登山というと「寒さ対策」を考えてしまいがちですが、最も体温を下げるのは「自分の汗」です。
インナーウェアをおろそかにして中間着やアウターで防寒すると、インナーが内側にこもった汗を吸い、冷えて体に張り付き、体温が奪われてしまう可能性があります。
特に冬は防寒着を何枚も着込むため、汗をかきやすい状況です。
防寒のつもりで重ね着していたのに、自分の汗で体が凍えてしまった…ということにならないように、インナーは機能性を重視しましょう。
まとめ
登山ウェアの中でも最も重要だとされるインナーには、汗冷え・紫外線対策、紫外線・怪我・虫刺され予防、保温とさまざまな役割があります。
肌に一番近いところにあり、汗を吸い取る役割を果たすものだからこそ、機能性を重視して選ぶことが大切です。
選び方のポイントや素材をチェックしたら、季節にあわせて最適なインナーを選んでください。
こちらの記事でご紹介したおすすめのインナーなら機能性に全く不足はないので、この中から選べば間違いありませんよ。
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