登山初心者の方は「山歩きでの服装はどうすればいいのか…?」と、出発前に悩みがち。
登山用の服装が揃っていない状態であれば、すべてを買い揃えることも難しいものです。
そこで、初心者の方でも快適に登山を楽しめるよう、服装の基本と押さえておきたいポイントを、季節ごとのおすすめの服装と一緒に解説します。
初めてアウトドアやトレッキングに挑戦するという方は、ぜひ参考にして機能性の高い服装を準備してください。
登山での服装の基本を覚えよう!
それでは最初に、「登山初心者の服装」について基本を覚えていきましょう。
初心者の方がまず揃えるべきアイテムや、行動着選びのときに注意するべきポイントをまとめたので、装備を揃えるときの参考にしてください。
服装の基本
初心者の登山にはどんな服装がおすすめ?
初心者の方が登山をするときに、いちから装備をすべて揃えるのは金銭的にも難しいもの。
レンタルサービスを利用することも一つの方法ですが、登山経験のステップにあわせて揃えれば無理なく装備が整っていきます。
初めに揃えるなら:靴・ザック・レインウェア
登山の装備で最初に揃えておきたいものは、「登山靴」「ザック」「レインウェア」の3つ。
山を歩くためには、機能性の高い登山靴で足への負担を軽減し、荷物の重さを分散する機能を備えたザックを背負い、突然の雨に対応するためのレインウェアが必須です。
登山初心者の方が装備を購入するとしたら、登山靴・ザック・レインウェアのいずれかにしましょう。
特に重要となるところは「登山靴」ですが、初心者の方には歩きにくく感じられる可能性があるため、シューズはハイカットを避け、ミドルカットのものを選ぶようにしてください。
また、透湿防水性を高めたゴアテックス素材を採用したものなら間違いありません。
軽いハイキングなら:普段着に登山装備を加えて
本格的な登山ではなくハイキング程度の登山コースであれば、アウトドア用の普段着でも対応は可能です。
観光客が多く訪れ、ルートが舗装されている高尾山や六甲山なども該当します。
ただし普段着で良いとは言え、レインウェアや防寒着は持っていきたいところ。
要所に登山用の装備を加えて、万全の状態にしていくことが大切です。
登山を続けるなら:少しずつ装備を整えよう
今後も登山を続けて、徐々に難易度の高い山に挑戦したいと考えているなら、登山用の服装を少しずつ揃えていきましょう。
最初に解説したように、登山靴・ザック・レインウェアをまず購入し、次でご紹介する「レイヤリング」の考え方を参考にしながら、モンベルやノースフェイスなど、アウトドアブランドから発売されている装備を整えていきましょう。
初心者必見!登山の服装は「レイヤリング」が基本
登山の服装における基本は「レイヤリング」です。レイヤリングとは、環境や体の状態によって簡単に脱いだり着たりできる重ね着のこと。
登山に着ていく洋服を選ぶときは、「重ねて着ること」を考慮してサイズ選びをしてください。
環境に合わせた服装の調整が大切
山は標高が高くなるにつれて気温が低くなるうえに、登山中は大量の汗をかきます。
さらに、突然雨が降ってきたり、濡れてしまったりすることも。
そのため、環境に合わせて服装を調整できることが大切となり、調整のために必要となるのがレイヤリングです。
レイヤリングでは、アンダーウェアの上に肌着を着て、中間着を重ね、その上から撥水性のあるアウターを羽織ります。
汗をかいたまま気温の低い山頂に向かうことは、低体温症などのリスクを高める原因。
ちょうどよい状態を保つためには、こまめに洋服を脱いだり着たりできなければなりません。
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服装は「素材選び」がポイント
登山の服装におけるポイントは「素材選び」です。
山登りに適切な素材を選ぶことで、山の過酷な環境に対応することや、汗の調整をできるようになります。
綿は汗を吸い取りますが乾きにくいため体を冷やす原因になり、ポリエステルは吸汗性と速乾性に優れる素材。
どちらが登山向きかと考えれば、ポリエステルを選ぶべきだとわかります。ただし、心地よい着心地であるよう、親和性を考慮することも必要です。
防寒用・予備用のシャツを持っていこう
天気が変わりやすい山の環境に対応するためには、防寒用・予備用のシャツを持っていくことをおすすめします。
標高の高い山では特に、レイヤリングだけでは防寒性が足りないことも多々あるもの。
薄手のフリースなどをザックの中に1枚忍ばせておけば、いざというときに役立つこと間違いなしです。
初心者の登山用服装も完璧!季節ごとのおすすめレイヤリング
それでは、初心者の方におすすめできる季節ごとのレイヤリングをご紹介します。
「レイヤリングが重要」と知っても、どのように重ね着して良いかわからないという人もいると思いますので、季節にあわせた下記の服装を参考にしてください。
季節ごとのレイヤリング
春の登山におすすめのレイヤリングと服装
日差しに春を感じるようになってきた3月☀️ つい薄着で外に出てしまいがちですが、まだ冬山シーズン。油断はできません🗻
冬に限らず、登山の服装は「レイヤリング(重ね着)」が重要! フィールドのプロである自然ガイドのHさん、Yさんにご協力いただき、お二人の服装を見せていただきました🧐 pic.twitter.com/TS67DieeXg— 川湯ビジターセンター(旧 川湯エコミュージアムセンター) (@kawayu_emc) March 1, 2022
標高の高い山ではまだ寒いことも多い春。
春のレイヤリングでは、中厚程度の長袖インナーウェアを選び、フリースを重ねた上からソフトシェルのアウターを着ましょう。
ソフトシェルとは、ストレッチ性・撥水性を備えた防風ジャケットのこと。
そして、いざというときの防寒用として、薄手のウインドブレーカーやダウンジャケット、フリースなどをザックの中に用意すれば万全です。
夏の登山におすすめのレイヤリングと服装
夏の登山で重視するべきは、行動中にかいた汗をどのように発散させるかということです。
そのため、乾性に富んだ素材を選び、レイヤリングで汗冷えから体を守ることを考えてください。
吸汗・速乾性に優れた化学繊維素材のインナーの上に、同じく化繊のシャツを着て、ショートパンツやハーフパンツにタイツを合わせればファッション性も抜群。
薄手のフリースやレインウェアもザックの中に準備しておきましょう。
また、日焼け予防としてつばの広い帽子をかぶることをおすすめします。
秋の登山におすすめのレイヤリングと服装
秋の登山の服装は春のレイヤリングとほぼ変わりませんが、気温差に対応するために、初心者の方は必ずダウンベストやジャケット、ウインドブレーカーを忘れずに。
ウールが混じった素材のものを選ぶと、キャンプ場や休憩中に役立ちます。
冬の登山におすすめのレイヤリングと服装
冬の登山では、何よりも保温性を重視したいものですが、高い保温性によりかいた汗をどう処理するかも重要ポイント。
吸湿速乾性の高い素材でできた服装を選ぶようにしてください。
インナーは暖かなものを2枚重ねにして、その上からダウンジャケットを着て、防水性・防風性に優れたハードシェルを羽織るのがベスト。
ボトムスにはレギンスの重ね履きがおすすめです。
そして、ザックの中には薄手のフリースやダウンも準備しておきましょう。
女性の登山もオシャレに!どこで買う?良コスパで登山初心者向け服装が揃うブランド
登山メーカーから発売されている商品で服装を揃えようとすると、金銭的な負担が大きくなりがちです。
そのため初心者の方には、次のようにコスパとデザイン性を両立させたブランドで登山用の服装を揃えていくことをおすすめします。
おすすめブランド
プチプラブランドとして人気!しまむらで揃える登山の服装
しまむらヤバス😎
700フィルパワーのダウンが洗濯機で簡単に洗える。
登山のインナーダウンは汚れがちだからこそ簡単に洗える清潔ダウンジャケットはマジで使える! pic.twitter.com/z58RRs4ZJL— tap (@tap_q1) November 10, 2019
プチプラブランドとして高い人気を誇るしまむらなら、1品1,000~2,000円程度で登山用の装備が購入できることもあり、「とりあえず登山向け装備を揃えたい」という初心者の方に適しています。
ポリエステル100%で作られたトレーニング用ウェアなら、登山に流用することも可能です。
また、靴下や手袋などの小物が充実しているので、防寒アイテムを揃えやすいところも魅力。
ただし、しまむらには「透湿性」に優れたアイテムが乏しいため、汗かきの方や真夏の登山にはおすすめしません。
レディースズボンの種類が豊富!ユニクロで揃える夏登山の服装
狙ってたユニクロのULボリュームダウンジャケットがセールで安くなっていたので即ゲット。インサレーションについては2万円の登山用よりユニクロ2枚重ねのほうがコスバ良いような気がしている(アウター併用前提) これで冬の星撮り準備万端。あとは気合いだけ( ´_ゝ`) pic.twitter.com/Xw6BcvEnym
— danzaimon (@danzaimon) November 30, 2019
スポーツ用ウェアが充実しているユニクロは、安く登山用装備が揃うブランドとして有名。
メッシュ素材で通気性に優れ軽量なエアリズム、速乾性に優れ汗をすぐに発散させるドライEXなど、夏登山に必要な機能性を備えたシャツやパンツが多く販売されています。
ユニクロ商品の中でも、特に登山初心者の方の服装選びで真っ先に買っておきたいのは、防寒用のウルトラライトダウンシリーズ。
丸めればザックの中にも入り軽量であることと、防水性に優れていることがおすすめする理由です。
また、女性用トレッキングパンツの品揃えも豊富であり、ストレッチ性の高い優れた商品が多数取り揃えられています。
夏登山ならユニクロ
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— danzaimon (@danzaimon) February 28, 2020
初心者の男性が登山用服装を揃えるなら、おすすめするのはワークマンです。
1,000~5,000円程度で登山に最適な洋服を買うことができ、コスパは抜群。
吸汗速乾性に優れたTシャツ、汗をかいたときの気化熱を利用した冷感素材を使ったシャツなど、機能性の高い商品を安価に販売しています。
ボトムスに関しては、クライミング・トレッキング用に作られたロングパンツが2,000円程度で購入できるというリーズナブルさ。
撥水性を備えたストレッチパンツもあり、初心者の方が使うのであれば、登山メーカーの商品と比較して遜色ない機能性を感じられるはずです。
初心者の登山は「服装の基本」を覚えることが大切
初心者の方が登山用の服装を揃えるときは、まず「服装の基本」を覚え、基本に従って購入していくことが大切です。
バックパックやトレッキングシューズから揃えていき、それぞれの季節にふさわしいレイヤリングの方法を覚えてから装備を選ぶようにしていきましょう。
標高が低く、観光客が少ない登山ルートなら問題ありませんが、富士山など難易度の高い山に挑戦するなら、服装が登山者の命を守ると言っても過言ではありません。
快適性はもちろん安全性を高めるためにも、今回の記事を参考に機能性を重視した服装で挑んでください。
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