登山・山歩き

登山用スパッツはいらない?!選び方とおすすめ5選!代用ができるアイテムも解説

登山用スパッツはいらない?!選び方とおすすめ5選!代用ができるアイテムも解説

登山靴の上をすっぽりと覆うような形の登山用スパッツ(ゲイター)は、雪山や雨の日の山道、砂利の多い山などで大活躍します。

しかし、初めて使う人にとっては、選び方や使い方などわからないことが多いアイテムでもあるようです。

またファッション業界でよく見かけるスパッツと間違えている方も。

そこでこちらの記事では、登山用スパッツの役割や選び方のポイントに加え、おすすめのスパッツもご紹介します。

身近なもので代用する方法もご紹介するので、知っておけばいざというときに役立ちますよ。

登山でのスパッツの役割と機能性

登山でのスパッツの役割は、登山靴の中に砂や砂利、泥、水などが入らないようにすることです。

スパッツを着用していれば、少量の雨であればレインウェアなしでも歩けるでしょう。

登山靴とトレッキングパンツの間にかぶせることで風の侵入を防げるため、防寒着としても役立ちます。

晴れた日のハイキングなどではあまり必要性を感じませんが、水の多いコースやスキー場コース、山スキー、沢登りなどのポイントがある登山では、必需品と言えるほど重要となる装備です。

登山用スパッツの選び方・6つのポイント

登山用スパッツの選び方には、6つのポイントがあります。

まずはスパッツを選ぶ前に、あなたがどのようなタイプのスパッツを使いたいかを決めなければいけません。

選ぶときの流れに沿って、順番に確認していきましょう。

step
1
スパッツの長さを選ぶ

スパッツには2種類の長さがあります。膝下まである「ロングタイプ」と、足首を覆うほどの長さの「ショートタイプ」の2種類です。

まずはそれぞれの特徴を知って、どちらの長さを選ぶかを決めましょう。

ロングタイプの特徴とメリット

ロングタイプは登山靴への水や小石の侵入を強力に防ぐことができます。

また、雪山を歩いても雪が入る心配がなく、雪よけができることから防寒性に優れている点もメリットです。

日本の山には高さのある植物がたくさん生息しているため、ロングタイプの方が汎用性が高くおすすめできます。

ショートタイプの特徴とメリット

ショートタイプは小さいため、履いていても違和感がないことがメリットです。

ただし小石や砂、雪などの侵入を防ぐというよりは枝などから足首を守るという役割の方がメインとなるため、小石や砂利の多い山用としてはロングタイプの方が適しています。

step
2
通気性・防水透湿性・耐久性の高さを確認

次に機能性を確認します。通気性のないスパッツを選ぶと汗で蒸れやすくなるので注意が必要です。

通気性を重視して選ぶのであれば、スパッツの上の方が、蒸れにくく防水性や耐久性にも優れたゴアテックスになっているものをおすすめします。

また、ナイロン製のスパッツも耐久性に優れています。

step
3
動きを邪魔しないものを選ぶ

スパッツを着用していると違和感がある場合もあるため、登山中の動きを邪魔しないことも大切です。

試着をして一番動きやすいものを選ぶのが一番ですが、軽量のものだと脚を動かしやすくなります。

ただし、富士登山などの本格的な登山であれば、軽量性よりも機能性を重視するべきです。

step
4
着脱はしやすいか?

一般的にはマジックテープ、もしくはジッパーで着脱しますが、開閉部の位置によって履きやすさは変わります。

開閉部が前にある方が着脱しやすいため、特に初めてスパッツを購入する方は、前方にあるタイプを選んでください。

閉め方はマジックテープの方が着脱は簡単ですが、防水性に関してはジッパータイプの方が上です。

step
5
ずれにくい工夫がされていると便利

スパッツの機能性を確認したら、次は登山靴がズレにくいように、ストラップのついているものを選ぶようにします。

ストラップにはさまざまな材質や太さのものがありますが、太いとしっかりと固定されるものの靴底に違和感があり歩きにくくなる点がデメリットです。

細いと耐久性が低くなりますが、歩きやすさは向上します。

step
6
サイズがあっているかチェック!

スパッツにもサイズがあるため、自分にあったサイズのものを選ぶことが大切です。

実際に使用する登山靴を履いて試着してみて、きつくないか、大きすぎて引っかからないかを確認してください。

また、夏よりも冬の登山ウェアの方が厚みがあるため、それぞれの季節の服装にあわせて選んだほうが間違いがありません。

登山用スパッツの正しい付け方

登山用スパッツを購入しても、正しい付け方がわからないという方は意外と多いものです。

スパッツにも左右が存在するため、最初に内側を見て「左」と「右」を確認してください。

そして開閉部からスパッツを開き、トレッキングパンツと登山靴の間に装着します。

開閉部を前方に持ってきて閉めたら、そのままくるっと回して開閉部を後ろに移動させます。

スパッツについているゴムで固定して、金具を靴紐にかけたら装着完了です。

雨の侵入を防ぐためには、パンツの内側にスパッツを履くことをおすすめします。

反対に泥や雪による汚れを防ぎたい場合は、パンツの外側に履くことで洋服を汚れから守れます。

初心者でも安心の機能性!おすすめ登山用スパッツ5選

それでは、これからスパッツを購入したいと考えている初心者の方に向けて、おすすめの登山用スパッツを5つご紹介します。

モンベル製品が中心ですが、やはり機能性の高さではモンベルが一番です。

ショートタイプとロングタイプの両方をご紹介するので、お好みにあわせて選んでください。

登山用スパッツ

モンベル ストレッチドライテック ロングスパッツ

製品名の通り、高いストレッチ性があり動きやすいことが特徴のスパッツです。

また両足で平均重量174gと軽量で、細身であるため動きを邪魔しません。前開き仕様で初めての方でもスムーズに着用できます。

使用されている素材はモンベルが独自開発した「ストレッチドライテック」です。

一般的に使用されている防水素材は透湿性が低いですが、ストレッチドライテックは防水性と透湿性を両立させていて、蒸れの心配がありません。

モンベル ゴアテックス アルパインスパッツ

ゴアテックスを使用したこのスパッツは、エッジガードでとても高い耐久性を実現しており、フィット調整ができるテープや耐久性に優れたストラップを搭載することで、初心者から上級者まで対応する使い勝手の良さを保持しています。

「ゴアテックス ファブリクス 3レイヤー」という素材を使用することで、防水透湿性の高さは世界最高基準を達成しました。

さらに、立体的なデザインによって効率的に雪や水の侵入を防いでくれる高機能モデルです。

モンベル ゴアテックス ライトスパッツ

ゴアテックスライトスパッツは、ショートタイプ、セミロングタイプ、ロングタイプの3種類が揃っているので、用途や好みに合わせて選べます。

ショートタイプであれば平均重量が104gと軽量で、ザックの中に常備しておくためにも重宝するスパッツです。携帯用のスタッフバッグも付属します。

素材には防水透湿性に優れた「ゴアテックス ファブリクス 3レイヤー」を使用しています。

立体デザインによりフィット感をアップさせ、芯が入ったジッパーでずり下がりを予防してくれるところもポイントです。

モンベル ストレッチショートスパッツ

平均重量が両足分で66gという超軽量タイプです。ハイキングなどで登山靴への小石や砂利の侵入を防ぎたいという場合に活躍してくれます。

前方よりも後方を長めにすることで、ローカットタイプのスニーカーや登山靴でも効果を発揮します。

ジッパーもマジックテープもついておらず、そのまま装着するタイプなので、従来のスパッツの付け方が苦手な方にもおすすめです。

モンベル レインスパッツ

高い防水性で雨の日や雪山の登山に最適なスパッツです。

防水性の高さは甲部分のツバとジッパーのフラッグに、縫い目に貼られたシームテープの3つの特徴によって成り立っています。

ツバによって足の甲部分からの浸水を、シームテープは縫い目からの浸水を防ぐためのものです。

基本的にジッパータイプは防水性が高いとご説明しましたが、フラッグをつけることでさらに強固な防水性を実現しています。

登山用スパッツはワークマンでは購入できない

モンベルの登山用スパッツをご紹介しましたが、安い登山用ウェアを求める方に人気の「ワークマン」では購入できないのでしょうか。

実はワークマンでは登山用のスパッツは販売されていません。

アウトドアブランドを展開しており、登山用に使えるコスパの高い機能性アイテムを多数取り揃えているワークマンですが、スパッツの役割を果たすものはありません。

そのため機能性に優れたスパッツをお求めの場合は、モンベル製品がおすすめです。

緊急時にも安心!ビニール袋を使った自作スパッツの作り方

登山中に急に雨が降ってくることは珍しくありません。そんなときにスパッツを持ってきていなければ、ビニール袋で代用することができます。

いざというときに役立つ自作アイテムなので、ぜひ作り方を覚えておきましょう。

まずはスーパーやコンビニなどの持ち手のついたビニール袋を用意します。

ビニール袋の中に足を入れて、持ち手部分を結んで固定すれば、簡易スパッツの完成です。

タイツと靴下の上からビニール袋をかぶせて靴を履けば、足が濡れることはありません。

ただし、沢を渡らなければならないような状況であれば、靴が濡れる方が困ると思います。

その場合は靴を履いたままビニール袋の中に足を入れ、そのまま渡れば靴を濡らすことなく渡り終えられるので便利です。

登山のときには数枚のビニール袋を持っていると、何かと役立ちます。

富士登山ではスパッツいらない?ルート別に必要性を解説

スパッツにはさまざまな機能がありますが、富士登山でのスパッツに関する意見はわかれがちです。

絶対に必要だという方もいれば、スパッツいらないという方も存在します。

そこで日本の山の中でも難関に位置する富士登山でのスパッツの必要性について、コースごとに解説したいと思います。

富士登山でのスパッツ

吉田ルート

富士登山で最も人気の高い吉田ルートには、砂走り区間がありません。

さらに、登山道には階段や岩場が少なく、なだらかな斜面が多いルートです。

そのため、ご紹介する5つのルートの中でも、最もスパッツの必要性が低いルートだと言えます。

須走ルート

須走ルートは山小屋の数も少なく上級者向けのルートですが、このルートを選択する場合はスパッツは必需品となります。

その理由は、下山専用道に砂走りがあるからです。

スパッツがなければ靴の中に砂が入ることは避けられません。必ずスパッツを着用して下山しましょう。

御殿場ルート

御殿場ルートは登山道は緩やかですが、山頂までの距離が最も長いルートです。

そして、このルートの有名なポイントと言えば、下りルートの「大砂走り」です。

つまり、大砂走り区間を通過するときには、必ずスパッツを着用するべきだと言えます。

上りルートで必要ないと思われても、ザックの中に用意しておきましょう。

富士宮ルート

富士宮ルートには砂走り区間がありません。そのため富士宮ルートを往復するだけで、砂や小石の侵入を防ぐためだけの目的であれば、スパッツを履く必要性は低いと言えます。

ただし、階段や岩場が多いことも富士宮ルートの特徴です。スパッツをつけていれば、トレッキングパンツの擦れ防止になります。

プリンスルート

プリンスルートは富士登山ルートの中で最も新しく、富士宮ルートと御殿場ルートを混合させたものです。

プリンスルートの下りは、富士宮ルートか御殿場ルートになります。そのため、富士宮ルートで下るのであればスパッツは不要、御殿場ルートであれば必要ということです。

しかし、富士宮ルートで下るつもりが間違えて御殿場ルートに行ってしまう登山客も多いようで、念の為スパッツを持参することをおすすめします。

まとめ

スパッツは登山ウェアの中でも存在感の薄い装備ですが、登山靴の中への砂利・砂・水・雪の侵入予防という、スパッツにしか果たせない役割を持っています。

また、冬登山や高山登山では防寒の役割も果たす大切なアイテムです。

スパッツの選び方がわからないという方も少なくありませんが、ご紹介した選び方に沿って、用途にピッタリのスパッツを探し出して活用してみましょう。

おすすめのスパッツもご紹介しましたが、数あるスパッツの中でもモンベル製品は機能性が高く、購入すれば間違いなく使えるアイテムとなります。

ビニール袋で代用することもできますが、やはり機能性や見た目の面では簡易的な方法に過ぎません。

スパッツ選びで迷っている方、機能性の高いアイテムが欲しい方は、ご紹介した製品の中から選んでみてください。

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