登山・山歩き

登山者の憧れ・縦走の魅力に迫る!関東日帰り&おすすめ長期縦走コースもご紹介

登山に関する情報を集めていると、必ず目にする言葉が「縦走じゅうそう」です。

登山経験を積んでいくにつれ、縦走の魅力に取り憑かれる登山者は多いもの。そこで今回の記事では、縦走の魅力に迫ります。

縦走の意味や基本的な知識、必要な装備などを解説した後、登山初心者でも縦走できるコースを含め、人気コースも併せてご紹介します。

注意点もよく把握したうえで、縦走の魅力に触れてみましょう。

登山者の憧れ!ワンランク上の登山「縦走」の意味とその魅力とは?

普通の登山に慣れてきたら、ぜひとも挑戦したいのが「縦走」。

多くの登山者が憧れ、ロマンを抱く縦走ですが、一体どのような魅力があり、なぜ憧れられるのでしょうか。まずは縦走の意味と魅力に迫ります。

登山「縦走」の意味

縦走ってなに?普通の登山との違いは?

よく耳にする「縦走」という言葉ですが、正しい意味を知らないという方も多いのではないでしょうか。

縦走とは、山から山へと渡り歩く登山スタイルのことを指しますが、詳しい定義について確認していきましょう。

稜線に沿って歩くのが縦走

縦走の基本的な定義は「稜線に沿って歩く登山」です。

単独で存在している独立峰を登って下りるのではなく、連なっている山々を稜線に沿って歩いていきます。

縦走には2つのスタイルがあり、山頂到着後に下山せず次の山に向かうスタイル、山頂に行かずひたすら稜線を歩くスタイルのどちらも縦走です。稜線に沿って歩くことから「尾根歩き」と呼ばれることもあります。

「稜線」と「尾根」について

縦走の定義である「稜線」とは、連山を結ぶ最も高いところにある登山道のことです。

峰と峰を結んでいて、連山同士を結びつけている山道のこと。

「尾根」も「稜線」と同じ意味です。独立峰には尾根も稜線もありませんが、いくつかの山が連なっているところには必ず尾根も稜線もあります。

周回登山との違いとは?

登山のスタイルとして「周回登山」というものがありますが、縦走登山とどのように違うのでしょうか。

周回登山の定義は、「登りと下りで違うコースを通り、出発地と同じ登山口に戻る登山」です。

つまり、周回登山は独立峰でも実現可能。山から山へと渡り歩く縦走登山とは基本的な部分が違いますが、縦走で周回登山になることもあります。

縦走の魅力とは?

それでは次に、縦走の魅力に迫っていきましょう。

なぜ多くの登山者が縦走に憧れるのか、なぜ縦走の人気が高いのか、3つの魅力から解説します。

普通の登山では味わえない展望

山々の最も高いところに沿って歩く縦走登山では、普段の登山では味わえない絶景が楽しめます。

最も高いところを歩くのですから、周りには何も遮るものがありません。展望は雄大で美しく、写真撮影が好きな登山者からも高い支持を集めています。

山ごとの個性を楽しめる

いくつもの山を渡り歩く縦走では、山ごとの個性を楽しめるという魅力も。

登山経験のある方なら、山にはそれぞれ個性があることをご存知だと思います。

縦走では個々の山の魅力を次々に体験することが可能です。

ピークを何回も味わえる

登山好きにとって、ピークを何回も味わえることは堪らなく魅力的です。

通常の登山であれば、山頂に到着した後は麓に戻るだけですが、縦走であれば歩けば歩くほどいくつものピークを体験できます。

登山の醍醐味である山頂到達が連続するのですから、その楽しさは想像に難くないでしょう。

縦走に必要な登山装備を知っておこう

通常の登山では味わえない魅力に満ちた縦走登山。

しかしやはり、ハイキングに行くような装備での縦走は危険です。

初心者でも縦走はできますが、登山用の装備をしっかりと整えて挑戦するようにしてください。

縦走に必要な登山装備

服装

まずは基本となる登山の服装から確認していきましょう。

登山経験がある方であれば揃っていると思われますが、基本こそが大切です。しっかりとチェックしてから計画を立てましょう。

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ザック・ザックカバー

本格的な縦走であれば大型のザックがおすすめ。50L以上のものを用意してください。

突然の雨に備えて、ザックカバーも用意しておきます。

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登山靴

縦走では歩行時間が長くなるため、何回か着用している履き慣れた登山靴を使うことがポイント。

耐摩耗性に優れていること、グリップ力があるものが適切です。

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レインウェア

登山の必需品であるレインウェアは、もちろん縦走でも必須アイテムです。

防水性と透湿性が高く、動きやすいものを準備します。

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グローブ

縦走ではゴツゴツとした岩場を歩くことも珍しくありません。

耐摩耗性に優れていること、通気性が良いこと、防風性があることなどを基準に選びましょう。

必ず持っていきたい登山道具

続いて、縦走に必要な登山道具について解説します。

すべてを解説することは難しいため、必ず持っていきたい、基本的な装備のみに絞りました。

他にも必要だと思うものがあれば、忘れずに持っていくようにしてください。

トレッキングポール

歩行時間が長くなる縦走登山では、トレッキングポールがあると疲労感が大きく軽減されます。

軽量で伸縮するタイプがおすすめです。

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コンパス・地図

コンパス地図は通常の登山でも必須のアイテムですが、いくつもの山を歩く縦走ではより重要性が増します。

もちろん使いこなせるように、使い方・読み方を習得しておくことも必要です。

基本的な使い方

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ヘッドライト

数日間に渡る縦走であれば、日が落ちてから動く機会も多いもの。

悪天候に見舞われる確率も高まるため、ヘッドライトザックの中に必ず用意しておきましょう。

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ビニール袋

登山ではビニール袋がなにかと役立ちます。

食事で出たゴミを入れたり、濡れた物を入れたりと、複数枚持っていくと大変便利です。

食料・水筒

食料と飲み物がなければ縦走はできません。

塩分と糖質が含まれた行動食、高エネルギーのテント泊食、水分補給用の水、調理用の水は必ず忘れないようにしてください。

救急セット

万が一に備えて、救急セットがあると安心です。絆創膏や消毒液、包帯、虫刺されの薬、常備薬などを持っていきます。

テント泊をするときに必要なもの

日帰りなら別ですが、本格的な縦走をするのであれば必ずテント泊をすることになります。

テント泊の必需品を忘れることはかなり危険であるため、準備を怠らないでください。

テント

テントがなければテント泊はできません。

野宿を余儀なくされることになるため、何はなくとも持っていきたい登山道具です。

シュラフ・カバー・マット

荷物が多くなりがちな縦走登山では、テントではなくシュラフを持っていく人も少なくありません。

シュラフカバーやシュラフマットも持っていくと、さらに快適に眠れます。

調理器具

キャンプ場で調理をしたり、お湯を沸かしたりすることを考えているなら、調理器具が必要です。

バーナーとガスカートリッジ、コッヘル、クッカー、カトラリーなどが必要となります。

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縦走登山の王道!北・南・中央アルプスおすすめ縦走コース

縦走の魅力や必要な装備について解説してきましたが、ここからは、登山者垂涎のアルプス縦走コースをご紹介していきます。

せっかく準備をしても、縦走のコースがわからなければ意味がありません。

参考にしながら、好みの縦走コースに挑戦していきましょう。

おすすめ縦走コース

【北アルプス】裏銀座縦走コース

裏銀座縦走コースは、上級者向けの長距離縦走コースとして有名で、一般的な登山者であれば3泊4日程度の日数が必要です。

終点である槍ヶ岳までは30km以上ありますが、さらに下山地の上高地までを含めると合計距離は50kmにも及びます。

北アルプスを一望できる景観は最高ですが、登山者としての技術力や判断力が求められるため、縦走の経験を積んだ後に挑戦したいコースです。

コース詳細

大町市高瀬ダム~烏帽子岳~野口五郎岳~鷲羽岳~双六岳、西鎌尾根~槍ヶ岳

【南アルプス】白峰三山縦走

3,000m級のアルプスの山を次々と体験できるという、縦走の魅力がふんだんに詰まった人気コース。

八ヶ岳や北アルプスの山だけでなく、天候次第では富士山を望むこともできる絶景が最大の魅力ですが、エスケープルートはありません。

歩行距離は25kmほどで、2泊3日のスケジュールが一般的です。

コース詳細

北岳~中白根山~間ノ岳~西農鳥岳~農鳥岳

【中央アルプス】北部主脈縦走

中央アルプスでも、標高3,000m前後の山々で縦走ができます。

北部主脈縦走コースは、3泊4日の長距離コースです。人気の高い山を次々と踏破できることから高い人気を誇りますが、難所が多いため技術力が必要。

さらに宿泊可能な場所も多くはなく、事前にしっかりと行程を確認してから出発したいものです。

コース詳細

千畳敷~木曽駒ヶ岳~宝剣岳~濁沢大峰~檜尾岳~熊沢岳~東川岳~空木岳~南駒ヶ岳~越百山

初心者でも安心!都心から出発できる関東日帰り縦走コース

数日間をかけて行う縦走は、やはり上級者向けであるイメージが拭えません。しかし、日帰りでも縦走は可能。

ここからは、関東から日帰りで行ける縦走コースをご紹介するので、縦走デビューの参考にしてください。

関東日帰り縦走コース

【神奈川県】表丹沢表尾根縦走コース

表丹沢表尾根縦走コースの所要時間は約7時間。7つもの山を縦走できますが、早朝に出発すれば都心からの日帰りもできます。

塔ノ岳や湘南の膿が一望できるだけでなく、天候次第では富士山を眺めることも可能。

眺望が良いうえに起伏に富んだ登山コースとなっているため、日帰りでも十分に楽しめます。

コース詳細

ヤビツ峠~ニノ塔~三ノ塔~烏尾山~行者岳~新大日~木ノ又大日~塔ノ岳

【東京都】高尾山 稲荷山縦走コース

多くの登山客で賑わう東京都内の高尾山にも、縦走コースは用意されています。

踏破する山は2つのみで、コースタイムは約3時間と短く、高尾山口駅前の駐車場を利用すれば車でも行くことが可能。

休日に気軽に縦走を楽しめる入門コースです。初心者の方で縦走を体験してみたいという場合は、まず稲荷山縦走コースにチャレンジしてみましょう。

コース詳細

稲荷山~高尾山

【静岡県】天城縦走コース

体力や脚力に自信がある登山初心者には、伊豆の天城縦走コースがおすすめ。

所要時間は天城峠バス停から約7時間と表丹沢表尾根縦走コースとほぼ同じですが、全長は17kmにも及びます。

原生林であることから植物や野鳥が豊富に生息し、山の自然を満喫したいという方にも最適で、登山後に伊豆温泉を堪能できるという立地も魅力です。

コース詳細

天城峠~八丁池~白田山~小岳~万三郎岳~万二郎岳

長期縦走コースは計画的に!

日帰りではなく本格的な長期縦走コースを体験したい場合は、事前に入念な計画を立てておくことが欠かせません。

日帰り縦走から長期縦走にステップアップしたいと考えている方は、次の3つのポイントを必ずチェックし、安全な登山計画を立ててください。

3つのポイント

小屋・水場・分岐の場所を把握しておく

長期縦走を行うなら事前にコースをシミュレーションし、山小屋や山荘の営業状況、水場・分岐の場所などを事前に把握しておくことが重要。

荷物の重量を考えると、日数分の水をすべて持っていくことは難しくなるため、特に水場の場所や状況を確認し、給水計画を立てるようにしましょう。

最新の現地情報を得る

通常の登山でも必要なことですが、崩壊した場所、増水、残雪などの現地情報については、最新の情報を得てから出発することを強くおすすめします。

特に冬場であれば、積雪状態が問題になることも少なくありません。

現地の情報センターに電話をして、天候や事故に関する登山情報を入手しておきます。

登山計画で行程を確認しておく

通常の登山では「登山計画を立てない」という人もいるようですが、長期縦走で計画を立てないことは命取りになります。

標高差や累積標高も確認しておくようにしてください。

登山計画は自分が辿るルートの行程を確認するために行いますが、食糧計画や給水計画を立てるうえでも必要です。

さらに、登山記録を残すためにも役立ちます。縦走の第一歩は、登山計画を立てることから始まると言っても過言ではありません。

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魅力が豊富な縦走でもっと登山を楽しもう

独立峰の登山を何回か経験してみると、「もっとレベルの高い登山をしてみたい」という気持ちにかられる人は少なくありません。

百名山や富士山の登頂を目指しても良いですが、さまざまな魅力に満ちた縦走にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

高尾山縦走コースなら初心者でも日帰りできますし、長期縦走コースなら存分にアウトドア気分を満喫できること間違いなしです。

登頂したら下山する通常の登山では味わえない山旅を、縦走で味わってみてください。

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