心身へのさまざまな効果が期待できるヨガ。「今日から毎日取り組もう!」と思って実践しても、実はヨガをやりすぎるとデメリットの方が際立ってしまう可能性があることをご存知でしょうか?
ヨガやピラティスは毎日行うことが推奨されていますが、初心者の方がやりすぎると心身に悪影響を及ぼしてしまうこともあるのです。
そこで今回の記事では、ヨガをやりすぎることのデメリットや、適切なヨガの頻度についてご紹介します。
要注意!ヨガをやりすぎることで起こり得る5つのデメリットを徹底解説!
「ヨガは毎日やった方が良い」とよく言われますが、実はヨガをやりすぎてもデメリットを感じてしまう可能性があります。
これからヨガを始めたいと考えている方はまず、ヨガをやりすぎることの5つのデメリットをチェックしていきましょう。
腰痛・頭痛・疲労など慢性症状が悪化する危険性がある
ヨガには腰痛・頭痛・疲労などの不定愁訴を改善する効果があるとされますが[1]、やりすぎると反対に症状が悪化してしまう恐れもあります。
体のどこかに痛みがある場合は、ヨガによる負担で痛みが悪化することも。特に、ヨガレッスンに通っている場合は、他の生徒のペースに合わせようとして無理してしまいがちなので注意しましょう。
筋肉が痛い!ヨガのやりすぎで筋肉痛になることも
ヨガをやりすぎることの2つ目のデメリットは、筋肉痛が起きるということです。
ヨガは動きが緩やかなので筋力をあまり使わないイメージがあるでしょうが、運動不足の方が長時間に渡るヨガをしたときに、筋肉が損傷して痛みが残る場合があります。
筋肉痛が起きるということは体が鍛えられている証拠でもありますが、ヨガ初心者の方であればやり方が間違っていたりウォーミングアップが不十分であったりすることから筋肉痛が起きることもあります。
もし筋肉痛があまりに続くようであれば、ヨガのやり方を見直してみてください。
ダイエットのためのヨガのはずがやりすぎて逆に太る
ダイエットのためにヨガを始めたという女性は多いでしょうが、ヨガをやりすぎると、反対に太ったり体重が増えてしまったりする可能性もあります。
ホットヨガの後は食事に注意しよう
高温多湿の環境で取り組むホットヨガは、デトックス効果があり、ダイエット効果の高いヨガです。
ただし、体温が上昇するに従い代謝が促進され、エネルギー消費量が多くなるとともに栄養吸収率も高まってしまいます。そのため、ホットヨガをした後すぐに食事を摂るといつも以上に食べた分を吸収しやすくなるのです。
ホットヨガの後は1~2時間後に食事を摂るのが基本。ホットヨガの後すぐに食事を摂っていると、ヨガのやりすぎで太る結果となりかねないので注意しましょう。
ヨガの効果で筋肉が強化され体重が増えることも
ホットヨガではなく、常温環境下のヨガでもやりすぎて太ることがあります。ただし、常温ヨガのやりすぎで体重が増える場合は、太ったわけではなく「筋肉が増えた」と考えるべきです。
2つ目のデメリットで解説したように、ヨガは筋肉痛が起きるほど筋肉への負担が生じることもあるため、筋肉が鍛えられます。
ヨガをやりすぎると筋肉量が増え、体重が増えてしまうこともあるのです。
筋肉は脂肪に比べて1.2倍の重量があるとされています。そのため、たとえ脂肪が1kg減ったとしても、筋肉が1kg増えれば体重は200g増えるという結果に。
ただし、同重量の筋肉は脂肪より体積が小さいため、もし体重が増えたとしても、見た目は引き締まったと感じることが多いはずです。
ヨガで体を使いすぎることはケガの原因になる
ヨガをやりすぎることの4つ目のデメリットは、ケガをする確率が増加するということです。
緩やかな動きではありますが、ヨガも体に負荷をかける運動です。あまりに長時間、頻繁にやりすぎるとケガを生じる原因にもなりかねません。
ヨガで起こりやすいケガとは?
ヨガで起こりやすいケガとは、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛です。
前屈の姿勢で無理をしすぎて骨盤周りにケガをする方が多く、腰を傷めてしまうことが多いとされています。
その他、膝の軟骨断裂が起きたり、肩・首に痛みを抱えたりする方もいるので、ヨガを長時間に渡りやりすぎることや、ポーズを深めようとして無理をしすぎたりすることは控えるようにしてください。
ヨガによるケガを予防するための方法
ヨガにはケガの危険性もありますが、ちょっとした配慮をするだけでケガの確率を減らすこともできます。
これから毎日ヨガに取り組んでいきたいと考えている方は、ケガを予防するための方法について知っておきましょう。
認定NPO法人日本ヨガ連盟によると、ヨガのやりすぎでケガをしないためには、次のようなポイントに気をつけるように注意を呼びかけています[2]。
- 気になる痛みがあるときはインストラクターに伝えておく
- 「痛いけれど気持ちがいい」状態を目指す
- 痛みに耐えるような伸ばし方をしない
- 周囲を気にせずマイペースに実践する
- 呼吸を止めずに心身をコントロールする
ヨガクラスといえばグループレッスンであることが多いですが、最近では、家にいながら取り組めるパソコンでのオンライン動画セッションも増えてきました。
ビデオレッスンはもちろんのこと、先生や専門家の指導による個人セッション・個人レッスンでなければ、なかなか体の痛みの様子まではわかってもらえないことが少なくありません。
自分自身で無理をしすぎないこと、痛みがあるときは考慮してもらえるよう伝えることなど、ケガを予防するための予防策を講じることが重要です。
ホットヨガのやりすぎは要注意!心身への負担が大きくなっているかも
3つ目のデメリットで、ホットヨガをやりすぎると太る可能性があると解説しましたが、ホットヨガのやりすぎには他にもデメリットが存在します。
特殊な環境で実践するホットヨガ。常温ヨガより体への負担が大きいことを把握してから取り組むようにしてください。
自律神経のバランスを崩す可能性がある
ホットヨガをやりすぎると、自律神経のバランスを崩してしまう可能性があるとされています。
常温ヨガは自律神経のバランスを整えますが、通常の環境とは違う高温多湿下で行うホットヨガでは、自律神経に異常をきたす場合もあると報告されています。
高温多湿のスタジオに入ったときの気温差、さらにスタジオ内でヨガをして汗をかいた後に、スタジオから常温に戻った際の気温差が激しく、自律神経の働きが追いつかなくなることがあるためです。
国民生活センターからの報告によると、ホットヨガを行って睡眠障害や自律神経異常を起こした方もいるとのこと。好転反応の可能性もありますが、やりすぎに注意し、実施する際にはミネラルを含む水分をこまめに摂取するようにしましょう[3]。
温度差によって体に負担がかかる
ホットヨガはヨガの中でも体に負担がかかりやすいので、やりすぎると体へのダメージが大きくなる可能性があります。
まず、高温多湿で運動をするということは、熱中症のリスクが高くなることは言うまでもありません。
さらに、大量に汗をかくホットヨガに取り組んでいる最中は、汗によって体内の水分量が少なくなっており、血液の濃度が濃い状態になります。
体内の栄養素や酸素は血液に溶け込んだ状態で運ばれるので、血液の濃度が濃くドロドロになってしまっては、全身にうまく酸素が行き渡らなくなることも…。
ホットヨガでこまめな水分補給が大切だと言われるのは、熱中症や血液の濃度上昇など、体への負担が大きくなる要素が含まれているためです。正しい水分補給をせずホットヨガをやりすぎると、徐々に身体へのダメージが蓄積されてしまうかもしれません。
ホットヨガでは筋肉が伸びすぎることも
ホットヨガをやりすぎることの最後のデメリットは、筋肉を伸ばしすぎてケガをするリスクが高くなることです。
4つ目のデメリットでケガのリスクをご紹介しましたが、実は高温多湿の環境では、最初から筋肉が伸びやすく柔軟性の高い状態になっており、脳が筋肉の伸びる量を勘違いしてしまう可能性があります。
つまり、実際に伸びる量よりもさらに伸びると勘違いをして、限界以上に筋肉を伸ばしてしまうケースもあるということです。
国民生活センターからの報告でも、ホットヨガでケガ・体調不良を起こしたことがある方は全体の18%で、格闘技系の14%、ダンス系の8%よりも高い割合となりました。
ホットヨガは激しい運動ではないように感じられるかもしれませんが、通常とは異なる環境下で運動をすることから、筋肉が伸びすぎてケガをしてしまう可能性があるのでやりすぎには注意しましょう。
やりすぎにならないヨガの頻度とは?芸能人のように毎日やっても大丈夫?
ここまでヨガをやりすぎることのデメリットについて解説してきましたが、それではやりすぎにならないヨガの頻度はどのくらいなのでしょうか?
ヨガは毎日実践した方が良いと言われる一方で、やりすぎに注意とも言われる…。ヨガを定期的に実践したい方のために、適切な頻度を探っていきましょう。
ヨガは基本的に毎日実践するもの
まず、ヨガは基本的に毎日実践した方が良いと言われています。特に初心者の方であれば、1日取り組まないだけで身体の柔軟性が失われてしまうこともあるとされているので、ヨガの上達には毎日取り組むことが欠かせません。
実際には「毎日○分行うこと」という決まりはなく、ご自分のペースで取り組むのがいちばん理想的ですが、ヨガの効果を得るためには生活の中にヨガを取り入れ、1週間に3回以上、できれば毎日実践することがポイントだとされています。
ただし、最初から毎日実践することは大変だと思われる方もいるでしょうから、まずは1週間に1日から始め、慣れてきたら1週間に2日、1週間に3日…と頻度を増やしていくことをおすすめします。
1週間に1日90分やるよりは、1週間に3日30分ずつとわけて、少しずつでも日数を増やして実践したほうが効果的です。
ヨガのやりすぎを予防するなら1回90分・1日3時間までが目安
ヨガを毎日実践するとして、やりすぎを予防するなら1日1回90分・合計3時間までが目安となります。
たとえば、朝・昼・晩と1日3回ヨガを行うなら1回は60分まで、朝・晩と1日2回行うなら1回は90分までに留めておきましょう。
スタジオのプログラムでも1回90分までに設定されていることから、2時間3時間…と、長時間に渡りヨガを続けることは身体への負担を大きくします。
強度の高い有酸素運動をした日はリラックス系のヨガに取り組んで
有酸素運動とヨガを組み合わせて実践している方は、強度の高い有酸素運動をした日は、リラックス系の緩やかなヨガに取り組んだ方が良いでしょう。
例えば、ランニングで60分走った後にパワーヨガに取り組むというスケジュールでは身体への負担が大きくなってしまいます。
「静」と「動」のバランスが取れるように、激しいワークアウトをした日は陰ヨガなど動きの少ないヨガ中心に取り組むようにし、心身のリリースを意識してください。
いちばん大切なことは「自分の体の声」をよく聞く
ヨガをどのくらい実践すればやりすぎになるのか…という基準は、実践する人により異なります。
毎日取り組むことで調子が良いという方もいれば、期間をあけて1週間に1回・30分程度取り組んだ方が良いという方もいるはずです。
ヨガは身体を追い込むようなエクササイズではなく、心身のバランスを取るためのものなので、自分の体から発せられている声をよく聞きながら取り組むようにしましょう。
もし毎日ヨガをしていて「体がだるい、重い」と感じられたなら、頻度を少なくして体の反応を見てみるようにしてください。
ご自分の体を観察していれば、ヨガを実践していく中で、「自分にとってはやりすぎている」というラインが見えてくるはずです。
ヨガ&ホットヨガのやりすぎには注意!自分が「気持ちいい」と感じる頻度で行うことが大切
ヨガの世界にはまりすぎた人たちは毎日何時間も行うことがありますが、毎日ヨガをすると腰痛になるなど、ヨガで怪我多発することもあるため、取り組むとしても毎日1時間~1時間半程度に控えることが大切です。
仕事が忙しい日、やりたくない日は瞑想や心・思考の断捨離だけにするなど、ご自身の体の声をよく聞きながら、無理のないちょうど良い頻度を探っていきましょう。
ただし、毎日ヨガをした結果、思った通りの効果が現れてきたという方も多いようです。
毎日ヨガに取り組むなら、体を傷めないようセミナーや教室に通うことがおすすめ。キャンペーンをチェックしていれば、人気教室の入会金無料・体験レッスン参加者募集などの情報も集まるはずです。
もしレッスンを体験できる機会があればぜひ体験して、専門家の指導によるヨガの宇宙に触れて安心・安全に取り組むようにしてください。
[1]参照:厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』eJIM:ヨガ
[2]参照:認定NPO法人日本ヨガ連盟:怪我をしないためには?
[3]参照:独立行政法人国民生活センター:「ホットヨガ」によるめまい、のぼせ、吐き気、頭痛に注意!