「山頂でのコーヒーが楽しみで山に登る」という方は多いもの。
登山でコーヒーを飲んだことがない方には信じがたいかもしれませんが、山頂で飲むコーヒーは、いつも飲んでいるものとは数倍おいしく感じられます。
そこで今回は、登山やアウトドアでコーヒーを楽しむための方法や、必要なコーヒーセットについて解説。
山頂でのコーヒーに憧れている登山初心者の方はぜひ参考にして、山でのコーヒータイムを味わってみてください。
アウトドア・登山で飲むコーヒーは最高
登山やアウトドアをしているときに、コーヒーを沸かして飲んだことはありますか?
アウトドアで飲むコーヒーは普段飲むものとは違い格別な味で、最高に美味しく感じられるものです。
中にはコーヒーを飲むために山に登るという人もいるくらいですが、山で飲むコーヒーにはどのような魅力があるのでしょうか。
コーヒーの魅力
美しい景色の中、達成感を抱きながら山頂で飲むコーヒー
大変な思いをしながら山を登りきって、美しい景色の中で達成感を抱く…。
山頂に着いてから大自然の中でコーヒーを味わう瞬間は至福の一時。
特に山頂は平地よりも気温が低いので、暖かなコーヒーが登山での疲れを癒やしてくれるような感覚を味わえます。
低山ハイキングでも山コーヒーで楽しめる
低山ハイキングだと、やや物足りなさを感じてしまうという方でも、山コーヒーを目的にするだけで充分に楽しめます。
いくものコースに盛り込むだけで充実した時間を過ごせますし、登りきって飲むひきたてのコーヒーは格別です。
おやつがあればコーヒータイムもより充実
山頂に到着してからのコーヒータイムを充実させてくれるアイテムがおやつです。
クッキーやチョコレートなどであれば行動食としても活躍し、コーヒータイムのおやつとしても楽しめます。
登山中に失われたエネルギーを補給する意味も込めて、コーヒーと一緒に頂くためのおやつも持っていくと良いでしょう。
山でコーヒーを飲むための5つの方法
登山でコーヒーを飲んだことがない方にとっては、「どうやって淹れればいいのか?」と疑問に感じるかも知れません。
そこで、山でコーヒーを飲むための5つの方法をご紹介します。
山でコーヒーを飲む方法
インスタントコーヒー
手軽にコーヒーを飲みたいという人は、インスタントコーヒーを持参しましょう。
お湯を沸かすだけですぐにコーヒーが作れるので、手軽さを重視したいという方にはいちばんおすすめの方法です。
お湯を沸かすためのミルクパンやケトル、コーヒーを飲むためのカップをお忘れなく。
ドリップバック
インスタントよりも本格的なコーヒーを楽しみたいという方には、ドリップバックがおすすめ。
市販のドリップバックにコーヒーを入れて、お湯を注ぐだけでおいしいコーヒーが作れます。
ミル挽き
コーヒーの味に徹底的にこだわりたいという方に人気なのは、やはりミル挽きです。
ミルでコーヒー豆を挽くという一手間と道具が必要ですが、手間をかけた分、インスタントやドリップバックとは一味違うおいしさが楽しめるところが魅力。
コーヒーの味と香りを存分に楽しめる方法です。
家から持参する
「淹れる手間を省きながら本格的なコーヒーを楽しみたい」という方におすすめなのが、自宅でコーヒーを淹れて山頂まで持っていくという方法。
ステンレスの保温ボトルに入れて持ち歩けば、山頂に到着するまで温かさが持続します。
山小屋や自販機で購入する
最も手間がかからない方法は、山小屋や自販機でコーヒーを購入するというもの。
道具を持っていく必要もなく、淹れるための手間も省けるため、山小屋があれば簡単にそこで購入しても良いでしょう。
登山でコーヒーを沸かすために必要な道具セットは?
今日は山頂で豆を挽いてみました。やっぱ美味しかった☕️#屏山#古処山#登山#コーヒー pic.twitter.com/4Mz7fLNkZv
— なべさん (@inuzuki1213) December 15, 2019
登山でコーヒーを淹れるには、当然、そのための道具セットが必要となります。
どの淹れ方を選ぶかによって道具は変わりますが、コーヒーの種類別、状況別で必要な道具を見ていきましょう。
必要な道具
アウトドア用のケトル・ポット
お湯を沸かしてコーヒーを淹れるなら、お湯を沸かすためのケトルやポットが欠かせません。
アウトドア用のものなら軽量なのでザックの重量を心配することなく山頂まで持っていけます。
シングルバーナー
ケトルやポットとともに欠かせないのが、お湯を沸かすための熱源となるバーナー。
シングルバーナーはバナーヘッドとガスを分けられるためコンパクトでアウトドアにピッタリです。
インスタントコーヒー・コーヒー豆
コーヒーがなければコーヒーを淹れることはできません。
簡単に淹れるのであればインスタントコーヒーを、山頂で豆から挽くのであればコーヒー豆を容器に入れて持参してください。
カップ
淹れたコーヒーを飲むためのカップは、チタン製、シリコン製、ポリプロピレン製、木製など、さまざまな材質・デザインのものが販売されています。
お気に入りの一品を見つければより一層コーヒーが美味しく感じられるでしょう。
ペーパーフィルター
コーヒーをペーパードリップで淹れるならフィルターが必要。ただし、アウトドア用の道具の中にはペーパーフィルターを必要としないドリッパーもあるので、ドリッパーの使い方をよく把握しておいてください。
ドリッパー
ペーパーフィルターでコーヒーを淹れるなら、アウトドア用のドリッパーもお忘れなく。
携帯性に優れた折りたたみ式の軽量ドリッパーがおすすめです。
コーヒーミル
コーヒーミルは山でコーヒー豆を挽くときに必要な道具。
アウトドア用のものの中にはハンドルが取り外せて、コンパクトに収納できる軽量なミルも販売されています。
マネキッタ
マネキッタとは直火でエスプレッソを淹れるための道具で、ボイラー、バスケット、サーバーが一体式になっています。
エスプレッソコーヒーが好みの方はマネキッタを用意してください。
パーコレーター
パーコレーターとは直火でお湯を沸かして、その中にコーヒーの粉を投入して淹れるタイプのポットのことです。
大容量のパーコレーターも多く販売されているので、大人数でコーヒーを飲みたいときにもおすすめ。
登山でミル挽きコーヒーを味わう!キャンプでのこだわりの淹れ方
コーヒーを淹れるための方法は5種類ありますが、中でも登山者から高い人気を誇るのが、本格的な味が楽しめるミル挽き。
こだわりを持って山でミル挽きコーヒーを味わいたいという方は、次の手順で淹れてみてください。
step
1お湯を沸騰させる
ミルで豆を挽く前に、まずはお湯を沸騰させるところから始めましょう。
ポットやケトルに水を入れて火にかけ、沸騰したら火を止めて、水面に現れる泡がなくなったくらいの温度が適温です。
step
2コーヒー豆を挽く
お湯を沸かしている間にミルでコーヒー豆を挽きます。コーヒー1杯分に必要な豆は10g程度。
ミルはゆっくりと回し、グラニュー糖程度の大きさである「中挽き」になるまで挽きましょう。
step
3ペーパーフィルターを用意する
豆を挽き終わったら、ペーパーフィルターの紙同士が接着されている部分を折ります。
折ることによってペーパーフィルターとドリッパーの密着度が高まり、コーヒーがよりおいしくなるためです。
step
4フィルターをセットして豆を入れる
ペーパーフィルターがドリッパーに密着するようにセットしたら、そこに挽いた豆を入れて表面を平らにします。
このときにカップにお湯を入れて温めておくようにしましょう。
step
5お湯を注ぐ
フィルターに入れたコーヒー豆の上から、ゆっくりと静かに、細くお湯を注いでいきます。
「の」を描くようにお湯を入れていき、粉が膨れてきたらお湯を注ぐのを止めて待ち、お湯の量がフィルターの1/3程度になったら再び注いでください。
この工程を繰り返してコーヒーを抽出します。
登山に最適!おすすめの道具を種類別にピックアップ
それではいよいよ、登山でコーヒーを飲むためにおすすめの道具をご紹介していきます。
携帯性に優れたアイテムを種類別にピックアップしましたので、道具を選びきれないという方は参考にしながら選んでください。
おすすめの道具
【マグカップ】スノーピーク:チタンシングルマグ 300
スノーピークのマグカップは300mlもの容量が入りますが、折りたたみ可能なハンドルでコンパクトに収納できることが特徴。
熱伝導率の低い0.4mm厚のチタンが使われているため口元が熱くなりづらく、50gという軽量性にも要注目です。
【ドリッパー】モンベル:O.D.コンパクトドリッパー2
モンベルのドリッパーはアウトドア好きな方から高い人気を誇りますが、その理由はコンパクトに折りたたみサイズを小さくすることができて、4gと非常に軽量なため。
素材はポリエステル・マイクロ・メッシュとなっており、洗って繰り返し使える環境に優しいドリッパーです。
【ドリッパー】ユニフレーム:コーヒーバネット
ユニフレームのドリッパーはバネのようなデザインになっていて、収納する時にバネを縮めることによって、20mmの薄さにすることができます。
重量は約46gとモンベルよりも重いですが、ペーパーを使用するため淹れ終わった後のコーヒーが捨てやすいところがメリットです。
【ミル】ポーレックス:コーヒーミル
登山用としておすすめのポーレックスのコーヒーミルは、ハンドルが取り外し可能となっているため非常にコンパクトです。
刃がセラミック製となっているため錆びにくく水洗いが可能。気になる金属臭もなく、コーヒーの香りを大切にしたい方にとっても嬉しい仕様です。
【ケトル】カクセー:クッカー ステンレス ケトル
ケトルはかさばりがちな道具ですが、取っ手とツルをたたむことができ、ケトルの中にインスタントラーメンやガスカートリッジを入れられるためザックの容量が節約できます。
ステンレス製なので重量は約358gと重めですが、錆びの心配がなく長く愛用できる製品です。
【パーコレーター】コールマン:ステンレスパーコレーター3
パーコレーターでおすすめなのはコールマンの商品。製品自体はステンレスですが持ち手部分が木製となっているため、熱伝導率が低く熱くなりません。
容量は1.3L、約6人分のお湯を沸かすことができ、大人数でコーヒーを楽しみたいというときにおすすめします。
【コーヒー】グロワーズカップ:コーヒーブリューワー
グロワーズカップのコーヒーブリューワーは、袋の中に直接お湯を入れるだけでコーヒーが作れるというすぐれもの。
このコーヒーとケトル、シングルバーナー、カップさえあればコーヒーが飲め、飲み終わったらそのままパックを捨てるだけなので、荷物を少なくしたい人、手間をかけたくない人に最適です。
登山でコーヒーを飲むときの注意点
登山でのコーヒータイムは特別なひとときですが、山でのルールを守って楽しむことが大切。
自分が困らないためにも、他の人に迷惑をかけないためにも次の2つの注意点を守ってください。
注意点
コーヒーの利尿作用でトイレが近くなる
コーヒーに利尿作用があることは、登山者であれば知っておくべきです。
山の中ではトイレが見つからないことも多いため、コーヒーを楽しむためには場所を選ぶようにしましょう。
特に行動中はなるべくトイレに行かないことが理想的なので、コーヒーは山頂に着いてから飲むようにすることをおすすめします。
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コーヒーのかすや飲み残しは山に捨てない
コーヒーを飲んだ後にかすや飲み残しが出た場合でも、絶対に山に捨ててはいけません。
山に直接ゴミを捨てることは植生の破壊に繋がることはもちろんですが、山小屋にゴミ箱があったとしても、ゴミは持ち帰ることが登山者としてのマナーです。
まとめ
登山でコーヒーを楽しむ方法やおすすめのグッズをご紹介してきました。
道具に関してはおすすめしたものがキャンプ・アウトドア用としては最適ですが、他にもコンパクトな携帯グッズはたくさん販売されています。
デザインや使い勝手などにこだわり、自分に合う物を見つけましょう。
登山でのコーヒーに憧れる人は多いですが、淹れる方法を知らないと少し挑戦しづらいもの。
今回ご紹介した内容を参考にして、ぜひ次の登山でチャレンジしてみてください。
登山で初挑戦することが不安であれば、公園でコーヒーを沸かすなど、事前に練習しておくことをおすすめします。
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