「サイクリングを始めたいけれどママチャリしか持っていない…」という方は多いもの。
新しくロードバイクやクロスバイクを購入することもひとつの方法ですが、サイクリングはママチャリでも十分に楽しめます。
そこで今回は、シティーサイクル自転車をサイクリング用として無理なく使うための範囲や、乗り心地を改善するための方法について解説。
ママチャリで自転車ライフ・旅行を楽しみたいという方はぜひ参考にしてください。
ママチャリとスポーツ自転車の違いとは?
サイクリング初心者の方にとっては、まず「ママチャリ・折りたたみ自転車とスポーツバイクの違い」が不明瞭な場合も少なくありません。
ママチャリとスポーツバイクの違いについてまとめてみましょう。
ママチャリ | スポーツ自転車 | |
用途 | 買い物・通勤・通学 | サイクリング・レース |
本体重量 | 16~20kg | 6~12kg |
ギア | なし・3段・6段 | 20・22・24・27段 |
サイズ | タイヤの大きさにより変わる | フレームの大きさにより変わる |
ママチャリとスポーツ自転車の主な違いは表のとおりです。
全体的に確認すると、ママチャリはカゴや泥除けがついていることから重量が重く、ギアの枚数が少ないため長距離走行には向いていないことがわかります。
対してスポーツ自転車は、必要最小限の装備品で軽量化されていて、ギアの枚数が多いことから、長距離を走っても疲れにくい自転車です。
また、スポーツ自転車はフレームの大きさによりサイズが細かくわかれていることから、自分の体型に合った自転車を手に入れやすいことも違いとなっています。
ママチャリで長距離サイクリングはOK?趣味として使える範囲はどこまでか検証
「ママチャリは長距離には向かない」と前項でお話しましたが、それでは、ママチャリでのサイクリングは難しいのでしょうか。
サイクリング用途として一体どこまで使えるか解説していきます。
サイクリング用途
5~10km程度の短距離走行・街乗り:シティサイクルでOK!
街中を自転車で走りたい、5~10Km程度の短距離サイクルに出かけたいという用途であれば、ママチャリをはじめとするシティサイクルで十分です。
変速できる機能が搭載されたママチャリであれば坂道も楽に走れます。
サイクリングロード:場所により可能
ママチャリでサイクリングロードを走りたい場合、走る場所によります。
例えば、初心者や家族連れに人気の「国営昭和記念公園」「代々木公園」などを走るのであれば、ママチャリでも問題ありません。
しかし、サイクリストに絶大な人気を誇る「しまなみ海道」などであれば、走行距離も長くなり、ママチャリでは無理があると考えられます。
ママチャリで走行できるかどうかは、サイクリングコースの難易度次第です。
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淡路島一周:初心者であれば難易度が高い
淡路島一周も自転車乗りに人気のコースですが、初心者の方がママチャリで淡路島一周を行うのはかなり難易度が高いと言えます。
サイクリング経験が豊富な人であっても、2日がかりで完走するレベル。
総走行時間は15時間程度になるため、淡路島一周を目指すならバイクを使用するべきです。
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長距離自転車旅行・レース:スポーツバイクを購入しましょう
自転車で長距離旅行にでかけたいという人や、レースに参加したいという人であれば、ママチャリでは無理があります。スポーツバイクを購入しましょう。
ママチャリは重く、スポーツバイクのようなスピードも出ないタイプであることから、ママチャリでは目的に合っていません。
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ママチャリサイクリングはダイエット効果もある?
サイクリングを始める目的のひとつとして、「ダイエット効果を期待して」というものがあります。
長距離走行には適さないママチャリですが、ダイエット効果は期待できるのでしょうか。スポーツバイクと効果を比較してみましょう。
ダイエット効果の比較
消費カロリーならスポーツバイクの方が有利
ダイエットのために消費カロリーを増やしたいなら、スポーツバイクの方が有利です。
体重55kgの人が1時間のサイクリングを行った場合、下の表のように、自転車の種類や速度ごとに消費カロリーが異なるためです。
消費カロリー | 時速 | |
電動自転車 | 173kcal | 15km/時 |
ママチャリ | 335kcal | 12~19km/時 |
クロスバイク・マウンテンバイク | 393kcal | 18~25km/時 |
ロードバイク | 693kcal | 20~30km/時 |
平均速度の速い自転車に乗っていると、空気やタイヤが回転する抵抗力が増すことから、消費カロリーも多くなります。
その点、走行スピードの遅いママチャリは消費カロリーが低く、カロリーを消費するためのサイクリングには適しません。
実際に自分自身の消費カロリーを知りたいという方は、サイクルコンピュータや消費カロリーが表示されるアプリを利用すると便利です。
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筋トレ効果ならシティサイクルの方が有利
筋トレで体を引き締めたいという目的であれば、消費カロリーは少ないものの、スポーツ自転車よりもママチャリの方が有利となります。
ママチャリやスポーツ自転車より筋肉にかかる負荷が大きく、筋肉のトレーニングに適している自転車の種類です。
自転車こぎで鍛えられる筋肉は、下半身を中心とし、腹筋・背筋・腰回りなど全身に及びます。
また、下半身には大きな筋肉が集中していることから、筋肉強化による基礎代謝アップ効果が現れやすいとも考えられます。
全身をバランスよく鍛え、基礎代謝を高めたいという目的なら、ママチャリサイクリングはダイエットに効果的です。
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自転車店不要!ママチャリを改造してロードバイク化するための5つのステップ
サイクリングでママチャリを使っていきたいと考えている方に、ひとつ提案があります。
ママチャリを「ロードバイク化」する方法です。
自転車屋に行くことなく、自分自身でママチャリの見た目と性能をロードバイクに近づけられる方法をご紹介します。
ロードバイク化のステップ
まずはメンテナンス・修理をしよう
走っても作っても楽しいロードバイク😆 pic.twitter.com/nI2LSGIVfc
— 松やん#群馬の自転車乗り (@osushikuitaina) March 21, 2021
お蔵入りになっていたママチャリや中古自転車を使うようであれば、まずはメンテナンスと修理をしましょう。
もちろん、子供用自転車や2人乗り自転車などでもメンテンナンスする部分は同じ。
自転車編のメンテナンスとして確認するべきポイントは次の4つです。
ブレーキの効きをチェック
安全に自転車に乗るための要であるブレーキは、必ずチェックしておきたいところ。
ブレーキレバーにオイルをスプレーしたら、何度か握って馴染ませましょう。
もしブレーキ自体が劣化しているようであれば、自分で交換することもできますが、劣化している場合は自転車ショップで専門家に相談したほうが安心です。
タイヤの空気入れをする
タイヤの空気量が減っていると地面との抵抗力が増えて、ママチャリのペダルがさらに重い状態になる上に、パンクしやすくなってしまいます。
タイヤを押しても凹まない程度にまで空気を入れ、走りやすい状態にしましょう。
チェーンにオイルを差す
屋外保管のママチャリは、チェーンのオイルがすぐに切れがちです。
チェーンに「潤滑スプレー」を吹きかけるだけでペダリングの軽快さは大きく変わります。
もしサビが出ているなら、サビを綺麗に拭き取って最後オイルを充填してください。
リムテープを交換する
最後にリムテープが劣化していたら交換しておきましょう。
リムテープとは、トップチューブとホイールの緩衝材となるテープのことで、劣化してくるとチューブが裂ける可能性が高まります。
ホイールさえ取り外せれば交換は難しくないため、サイクリング用としてママチャリを使うのであればリムの交換もお忘れなく。
サドルを高めに変更する
ママチャリをロードバイク化するための第一歩は、サドルを高めにすることです。
サドル高の目安は、実際に座ってペダルを下まで踏み込んだときに、膝が伸びる程度の高さ。
サドルの高さを調整することで、ペダリング時の脚力を効率的に使えるようになります。
ハンドルをサドルと同じくらいの高さにする
サドルの高さを調整したら、ハンドルをサドルと同じ高さに調整してください。
ハンドルとサドルの高さが近ければ、ママチャリでもスポーツ自転車のような前傾姿勢が実現し、ペダリングが楽になります。
また、体重が腕へと分散されることで腰への負担も軽くなり、腰痛予防のためにも効果的です。
パーツを取り除いて軽量化をはかる
ハンドルとサドルの調整を行ったら、次は車体本体の軽量化をはかっていきましょう。
必ず取り除いておきたいパーツは、カゴと泥除けです。
カゴと泥除けを取り除くだけでも軽量化され、自転車速度・見た目ともにクロス・ロードに近づいていきます。
ただし、絶対にライトは取り除かないようにしてください。
パーツをカスタムして高速化する
ここまでで、店を利用しない基本的なママチャリロードバイク化の工程は完了です。
これからは改造のレベルになるため、物足りない、本格的な改造ができる、自転車専門店に相談してでも改造したい人のみに挑戦をおすすめします。
ドロップハンドル
ロードバイクの大きな特徴であるドロップハンドル。ドロップハンドルは3,000円程度で購入でき、容易に交換できる部品です。
ドロップハンドルへと交換すれば、見た目や本体重量だけでなく、走りやすさもよりロードバイクに近くなります。
ホイール
ホイールを軽量化させることができれば、ママチャリとは思えないほどこぎやすい自転車へと変身。
ホイールはステンレス製とアルミ製の2種類が主流ですが、耐久性ではステンレス製、軽量性ではアルミ製の方が優れています。
ブレーキ
ブレーキを強化すれば、ママチャリ特有のブレーキ音も軽減させられます。
強化するためにはブレーキ交換が必要で、後輪を外し、メタルリングブレーキかサーボブレーキを取り付ける、という手順。
手順はシンプルですが、ブレーキは安全性の要となる部品であるため、慎重に、確実に取り付けるようにしてください。
車輪
ママチャリの車輪を交換すると、走行効率が格段に高くなります。
持っているママチャリのインチを確認し、適切なサイズの車輪を選ぶようにしてください。
目的に応じた車輪を装着すれば、走りやすさも大きく変わってきます。
ギア
ギアの改造は他の部分よりも難易度が高めですが、「ギアユニット」を交換すれば変速機をつけることが可能です。
ギアは10,000円程度の価格で購入することができ、交換によって走行性能をロードバイクに近づけられるようになります。
2chでも話題?一般自転車を使うならロードバイク革命「ママチャリロード」に要注目
昨日早上がりして、届いてたママチャリロードを組み立て。
スタンドとリアキャリアがないので、進化途中🌂
リアキャリアが届き次第、VELTOPを装着🚲☔ pic.twitter.com/zmX0IqEjYw— ロン・マシマシ略称ロン@UE🐼名古屋🚲 (@uerider_lp_ngy) December 1, 2019
「サイクリングに興味がある…でもママチャリに慣れていてロードバイクに抵抗がある」があるという方におすすめの自転車が、「ロードバイク革命・ママチャリロード」。
ママチャリロードは、ロードバイクでありながらママチャリのような乗り心地を実現させた「ママチャリとロードバイクのハイブリッド自転車」として誕生しました。
ママチャリロードはクラウドファンディングにより開発が実現した商品で、2020年6月現在では残り日数0日で支援終了となっているものの、商品化されたママチャリロードは55,000円で購入可能です。
「サイクリングをしてみたいけれどスポーツ自転車を購入する勇気がない」という方は、まずママチャリロード即決でサイクリングデビューしてみてはいかがでしょうか。
ママチャリでもサイクリングは可能!眠っている自転車で漕ぎ出そう
ネットの写真などを見て、「サイクリングと言えばスポーツ自転車」というイメージを持っている人も少なくありませんが、サイクリングはママチャリでも十分にできます。
長距離の自転車旅行などに使うには無理がありますが、日々のサイクリングや移動手段として大活躍してくれる自転車です。
最高速度の速いロードバイクでは、道路の制限速度を越えてしまう可能性もありますが、ママチャリなら心配ありません。
ママチャリは誰でも気軽に乗れて、安全性の高い優れた自転車だと言えます。
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