「ランニングを始めたい!」と思ったら、外を走るだけで目的を達成できます。
しかし、ランナーとしてさらに上のレベルを目指すなら、走るべき距離が気になるもの。
そこで今回の記事では、ランニング初心者に向けておすすめの距離を目的別に解説していきます。
走行距離を伸ばすための練習法や初心者ランナーが知っておくべきポイントもご紹介するので、これからランナーとしてのレベルを高めていきたいという方はぜひご参考ください。
ランニングで走る距離は?中級者~上級者なら5~10kmが平均的
まず、ランニングに慣れている中級者から上級者のトップランナーであれば、1回につき5~10km程度の距離を走るのが一般的とされています。
毎回5~10km程度の距離を走れるようになれば、マラソン大会への出場も夢ではありません。
しかし、初心者ランナーが5kmを走り抜くことはなかなか難しいもの。
ある程度ランニングに慣れている方でも、3km以上は走れないというケースも見られます。
それでは、ランニング初心者は一体どの程度の距離を目指すべきなのでしょうか?
目的別!初心者のランニングでおすすめの距離は?
初心者におすすめするランニングの距離は、走る目的によって変わります。
多くのランナーは走ることに何らかの目的を持っているため、あなたの目的に見合う距離はどの程度なのか、目的別にランニングの効果が現れやすい距離を確認していきましょう。
【運動不足解消】まず500mから始めて5km完走を目指そう
運動不足解消を目的としているなら、まず500mから始めて5kmを完走できるようにしましょう。
500mというとランニングの距離としては短すぎると感じられるかもしれませんが、日常的な運動習慣のない人であれば500mで呼吸が上がってしまうことも多々あります。
ランニングは400mまでが短距離の無酸素運動で、500m以降が有酸素運動となります。
無酸素運動と有酸素運動の違いは、体内に蓄えられるエネルギーの使い方の違い。
つまり、ランニングの走行距離を伸ばしていくためには、まず500mを走れるようになって、有酸素運動をするための体の使い方を覚えることから始めなければなりません。
【ダイエット】体脂肪燃焼効果を得るならゆっくりペースで3km
ダイエットや体重減少、生活習慣病予防目的でランニングをするなら、ゆっくりとペースで良いので3kmを走れるようにしてください。
厚生労働省からの情報提供によると、有酸素運動で体脂肪・内臓脂肪を燃焼させるためには、高い運動強度で短距離を走るよりも、低強度の運動を長時間続けたほうが効果的なためです。
1回につき3kmのランニングを週に3~4回行いましょう。
ダイエット効果を得るための目安は、会話ができる程度のゆっくりペースで1回につき3kmを走ること。
一般的なランニングでは時速7~9km/hが目安とされますが、体脂肪燃焼の効果と消費カロリーを高めたいなら、時速6km/hで30分間かけて3kmの距離を走ることをおすすめします。
【心肺機能・持久力向上】健康づくりが目的なら3~5kmを目安に
ランニングで健康維持や体づくりをしたいという初心者ランナーであれば、最初は1kmの距離から始めて、最終的に3~5kmの距離を走れるようにしましょう。
ランニングで得られる有酸素運動の効果は、3~5kmで最も実感できるとされています。
距離が長くなれば身体機能を高めるどころか、体に負担がかかりすぎてしまうリスクも。
ただし、心肺機能や全身持久力を高めるためには、運動の強度が低すぎても効果が現れにくくなります。時速7~9km程度で走ると適度な負荷となるはずです。
【マラソン】マラソン大会への参加を目指すなら月間走行100km
フルマラソン完走や市民マラソン大会への参加を目指しているなら、1回につき5~10km、月間走行にして100kmを目指すようにしてください。
10kmの距離を1時間で完走できるようになれば、マラソンを走れる体になっているはず。
ただし最初に解説したように、ランニング初心者が5km以上の距離を走ることは簡単ではありません。
10km走行はあくまでも目標として、最初はランニングを習慣づけられるように1回3~5km程度の距離を設定して、少しずつ無理なく走行距離を伸ばしていくことが大切です。
【ファンランナー】1kmから始めて「楽しい」と感じられる距離を
ランニング自体をスポーツとして楽しむファンランナーの人であれば、特に距離を決めず、ご自身が「楽しい」と感じられる距離で構いません。
ただ最初から長距離を設定してしまうと、走ることが嫌になってしまうこともあるでしょうから、せっかくの楽しさが失われないように1kmを最初の目標としましょう。
ランニングを始める前にかならずチェック!初心者ランナーへの7つの注意点
ランニング初心者におすすめの走行距離の目安を知った後は、初心者ランナーが気をつけるべき注意点に関しても学んでおきましょう。
安全にランニングを行うためには、次の7つのポイントに注意しながら走りを楽しんでください。
走りやすい練習コースを見つけよう
ランニングを始める前に、自宅近くで走りやすい練習コースを見つけましょう。
コースによってランニングの難易度は大きく変わります。山道や急勾配の道が含まれるコースではなく、平坦で車の通りが少なく、近くにトイレやコンビニが含まれるコースが初心者向け。
信号がないコースはマイペースで走れると思いがちですが、ランニング初心者が長距離を走る場合は、信号がある道を選んだほうがオーバーペースを避けられることもあります。
アプリを使ってランニングの距離を測定しよう
距離を意識したランニングで欠かせないのが「距離測定アプリ」です。
ランナー向けのアプリは多数提供されており、ほとんどのランニングアプリに距離測定機能が搭載されています。
「キョリ測」「RunKeeper」などのアプリが人気ですが、ご自身にとって使いやすいアプリを見つけてランニングの距離を測定しましょう。
ランニング前には水分補給を忘れずに
ランニング後だけでなく、ランニング前にも欠かせないのが水分補給。水分が失われている状態で走ると、脱水症や熱中症のリスクが高まるだけでなく、脂肪燃焼効果も下がります。
脂肪を燃焼させるためには水分と酸素がなければならないため、ランニングダイエットをしている人はとくに意識的に水分を補給することがポイントです。
ランニング前後は十分なストレッチを行う
ランニング前後はストレッチをして体をほぐすようにしてください。
ランニングで正しく筋肉を使い怪我を予防するためには、準備運動としてストレッチをしてウォーミングアップをすることが大切。
そして、ランニング後のストレッチは、筋疲労を回復させるために役立ちます。
走りのペースが早くなりすぎないように注意!
ランニング初心者にありがちなミスが、走りのペースが早くなりすぎてしまうことです。
心拍数が上がりすぎると長く走れなくなってしまいます。
心拍数が上がりすぎている状態とは、最初に解説したように「短距離走の無酸素運動」になっており、体内のエネルギーを効率よく使えない状態です。
最初の注意点で解説したように、信号があるコースであれば心拍数が上がりすぎることを予防できます。
ご自身のペース配分がうまくできない場合は、信号が多い道を選んでみましょう。
距離より時間を重視したランニングもおすすめ
今回の記事ではランニング初心者向けの距離をメインに解説してきましたが、初心者の人には距離より時間を重視したランニングの方が続けやすいかもしれません。
距離を目安にすると、調子が上がらない日は長時間走らなければならなくなる上に、完走しなければならないというプレッシャーを感じがちです。
しかし時間を重視したトレーニングであれば、体調にあわせて巡行ペースを変えることも簡単で、完走することに対するプレッシャーもありません。
距離を目標にしたランニングがあわないようであれば、時間を決めて走ってみてはいかがでしょうか。
ランニング後は食事に気をつけて体の管理を
体を適切に管理し、ランニングの効果を引き出すために大切なポイントが「食事」です。
筋肉や活動するためのエネルギーは、すべて食事から作り出されます。食事がおろそかになってしまっては、体づくりもランニングも十分に行えません。
長距離のランニングでは、体内に蓄えられていたエネルギー源が失われるため、ランニング後の食事では糖質を摂取してエネルギーの補給をしましょう。
そして、筋肉の疲労や損傷を回復させるために、たんぱく質を意識的に摂ることも重要です。
ランニングの距離を伸ばせない…初心者女性ランナーが実践する練習法とは
ランニングをしていると「もっと距離を伸ばしたい!」「○kmを完走したい!」と夢を抱くものですが、とくに初心者ランナーの場合、ランニングの距離を伸ばすことは簡単ではありません。
そこで、実際に多くのランナーが実践する練習方法をご紹介します。
とにかくゆっくりペースで楽しみながら走る
ランニング初心者は走ることに対して気張りがちですが、とにかくゆっくりとしたペースでランを楽しむことが最大のコツ。
自分にプレッシャーをかけすぎて、ランニングがストレスになってしまっては継続できません。
走ることが楽しいと思えるように、ゆっくりとマイペースで走りましょう。
LSDトレーニングをまじえながら練習する
前項で解説したゆっくりと楽しく走るランニングでは、「LSDトレーニング」の効果も得られます。
LSDトレーニングとは、ゆっくりとしたペースで長距離を走る練習法のことで、佐々木功監督が提唱する理論。
毛細血管・心肺機能が発達し、持久力を担う遅筋の筋トレにもなるため長距離走向けの体づくりに効果的で、脂肪燃焼効果もあるとされる練習法です。
LSDトレーニングは、力みのないフォームで最初から最後まで同じペースを守り、時速5~6km/hのスピードで60~90分以上走ることが基本。
とは言え、ランニング初級者の人が90分走り続けることは大変でしょうから、最初は60分程度から始めましょう。
筋力アップや休憩に最適!ウォーキングをフル活用する
ランニングで走行距離を伸ばすためには、ウォーキングも効果的なトレーニング法です。
ランニング初心者が長距離を走れない理由のひとつとして、足の筋力が低いことが考えられます。
前項で解説したLSDトレーニングでも脚力は鍛えられますが、より簡単な方法として、日常生活の中で意識的にウォーキングをすることもおすすめです。
ウォーキングはランニングより体への負担が少ないものの、長距離走向けの体を作るために最適です。
通勤時に一駅前で降りて歩く、近所への買い物なら車を使わないなど、「歩く」ことを意識的に取り入れるだけでランニング向けの体が作られていきます。
目標距離やレース参加など目的を持って走る
ランニング初心者が月間走行距離を伸ばすなら、レースやマラソンなどの大会にエントリーしてみることもおすすめ。
「初心者なのに…」と思われるかもしれませんが、目標や目的を持って走るようになると、急速に距離を伸ばす人も少なくありません。
実際に、3~4kmしか走れないときにレース競技にエントリーしたところ、その後のマラソン練習で10~15kmの距離を走れるようになったという女性ランナーも。
レースへの参加はプレッシャーにもなりますが、プレッシャーを利用することでランニングの距離を一気に伸ばせる可能性もあります。
マラソン関連情報をチェックし、5kmマラソンなど短距離の大会に参加してみましょう。
無理をせずしっかりと休息日をとる
どれほど記録を伸ばしたいと思っていても、初心者が毎日ランニングをすることは止めましょう。
毎日走ると筋肉や体の疲労が蓄積され、怪我につながりリスクもあります。無理をせず、週に3日程度のランニングに留めてください。
どんな服装で走ればいい?ランニング初心者におすすめのカジュアルウェア
最後に、これからランニングを始めたいと考えている方に向けて、おすすめのカジュアルウェアをご紹介していきます。
ダイエットのためにランニングを始めたいと思っても、高校生や40代以降の人では、本格的なランニングウェアを着るのが「恥ずかしい…」と感じられることもあるようです。
そのような人には、日常着のようなカジュアルウェアがおすすめ。
・【ナイキ】テックフリース ウィンドランナー
・【スタンプド】2Kトラックジャケット
・【クイックシルバー】クイックライトジャケット
・【デサント】Syuuutto Fit ソニックエアー ランニングロングパンツ
・【ナイキ】チャレンジャー BF 7インチ ショート
いずれもタウンユースにも使えるおしゃれなウェアなので、ランニング初心者の人はまずランニングシューズを用意し、カジュアルなウェアから試してみてはいかがでしょうか。
ランニング初心者は適正距離より走り方を覚えよう!無理のないペースで走ることが大切
ランニングで距離やタイムを伸ばそうと考えると、どうしてもトレーニングの量を多くしてしまいがち。
しかし初心者であれば短めの距離を目標にして、ランニングを生活習慣にすることから始めた方が継続しやすくなります。
大切なことは、ご自身の体力にとって無理のない練習量になるようメニューを組み立て、姿勢や腕の振りなどに気をつけながら正しいフォームで走ること。
「毎日5kmジョギングをしよう」など無理な目標を設定せず、解説してきたように、1回につき500mから1kmを完走することから始めてください。