「ランニングでいちばん重要なのはシューズ」とよく言われますが、実は走るときの格好もとても大切。格好によってランニングの快適性は大きく変わります。
そこで今回の記事では、機能性の高さを重視しながらランニング用の格好について解説。
熱中症・脱水症・日焼け対策を考慮しつつ、ランニングがより快適になる格好をご紹介した後に、デザイン性の高さで人気のスポーツブランドもピックアップしたのでぜひご参考ください。
基本のランニングウェア&選び方
応用編の格好を見ていく前に、まずは基本となるランニングウェアの種類と選び方について確認しておきましょう。
ご紹介するウェアやグッズを一通り揃えれば、初心者の方でも快適にランニングが楽しめるはずです。
スポーツインナー
スポーツインナーは目立たないながら、シャツやパンツよりも重要な役割を担います。
肌に直接触れるため、機能性の高いインナーを着用していればランニング中に不快感やストレスを抱くことはありません。
コットンは吸水性が良いものの遅乾性なので、吸汗速乾性の高いポリエステル素材のウェアを選び、汗による不快感を軽減させることが基本の役割。
コンプレッションインナーであれば、着圧により筋肉や関節のブレをなくしてくれるためパフォーマンスも高まります。
スポーツブラ
女性用インナーとして欠かせないスポーツブラ。ワイヤー入りの通常のブラでは走りにくいので、女性であれば必ず用意しておきましょう。
スポーツインナーと同様に、吸汗性や速乾性に優れた素材であり、伸縮性・フィット感の高いアイテムを選ぶことが大切。
ただし、お気に入りのデザインのブラであればランニングへのモチベーションも高まるでしょうから、デザイン性や可愛さも考慮して選びたいものです。
スポーツ用Tシャツ・タンクトップ
ランニング時の格好の基本となるのが、Tシャツやタンクトップ。
薄手のパーカーなどでレイヤリングして使えるので、Tシャツやタンクトップはぜひ用意しておきましょう。
吸汗速乾製・吸放湿性に優れており、伸縮性の高い素材を使っていることが選び方のポイントであることはインナーと同様です。
年間を通してランニングをするなら、レイヤリングのことも考慮し、厚みの違う製品をいくつか揃えておくことをおすすめします。
ハーフパンツ・ショートパンツ・レギンス
スポーツ用Tシャツやタンクトップと対になるのがパンツやレギンスです。女性であれば、ヨガパンツなどヨガウェアで代用しても良いでしょう。
ランニング用のパンツで最も重視したい機能性は、脚を動かしやすいこと。
ランニングは上半身より下半身の動きが大きい運動なので、ショート丈・ハーフ丈で下半身の動きやすさを確保することがポイントとなります。
脚をだしたくない場合は、次にご紹介するタイツと重ね履きすることもひとつの方法です。
スポーツタイツ
スポーツタイツは脚を日焼けから守るだけでなく、着圧機能で関節や筋肉の動きをサポートし、ランニングのパフォーマンスを高めてくれる役割も担います。
前の項目でご紹介した通り、ハーフパンツやショートパンツと重ね履きする格好で、ランニング時に脚を隠したりファッション性を高めたりするときにも活躍するアイテム。
パフォーマンス向上を狙うなら、ふくらはぎ全体を多くコンプレッションタイツがおすすめです。
ただし、夏は10分丈だと暑く身体に負担がかかることもあるので、季節・気温に応じて長さや生地の厚みを変えましょう。
ランニングシューズ
ウェアを中心にご紹介してきましたが、ランニングの格好の中で最も重要性が高いとされているのがシューズです。
足を使って行うスポーツなので、シューズの機能性が低いと足首や膝関節に負担が大きくなります。
シューズを選ぶ際にはサイズだけで選ばず、店頭で試着してフィット感があるものを選ぶことが大切ですが、その他、クッション性が高いこと、安定性があること、軽量であることを重視しましょう。
着地時に足にかかる負担は体重の2~3倍と言われているので、できる限り衝撃吸収性の高いシューズを選んでください。
パーカー
年間を通してランニングをするなら、撥水性のある薄手のパーカーを用意しておくと重宝するはずです。
急な雨のときに羽織ったり、冬場の防寒用アイテムとしてレイヤリングに活用したり、夏場の紫外線対策として羽織ったり…と、さまざまな使い方ができます。
パーカーは体温や周囲の気温によって、簡単に着脱できることがいちばんの魅力。ポーチにいつでも収納しておけるよう、薄手で携帯性の良い製品を選びましょう。
その他のランニンググッズ
スポーツウェア以外にも、ランニング時の格好として揃えておきたいグッズはたくさんあります。
準備しておけば必ず役立つので、初心者の方もそれぞれひとつずつ持っておくようにしてください。
キャップ
キャップは真夏の熱中症対策や、日焼け対策のために活躍してくれるグッズです。
汗をかいても蒸れないように、吸汗速乾性で作られた通気性の高いメッシュ素材のキャップを選ぶことをおすすめします。
ツバが大きく、UVカット機能がついているものの方がより強力に紫外線をカットできます。
サングラス
夏になるとスポーツサングラスをかけて走っているランナーの方を多く見かけるはずです。サングラスは目を強力な紫外線から守るための必需品です。
紫外線にさらされた目は、紫外線角膜炎や翼状片、白内障に罹患するリスクが高まるため[1]、UVカットをする際には肌だけでなく目にも気を遣うことが大切。
夏場のランニングにはサングラスを忘れないようにしてください。
[1]参照:環境省:紫外線環境保険マニュアル2008
ボトルポーチ
ランニング中の持ち物を収納しておくためには、ボトルポーチが必要です。
ペットボトルやカギ、小銭、肌寒い時用のパーカーなど、常に身につけておきたい物を収納しておきます。
ポーチが揺れるとランニングに集中できなくなるので、揺れが少ないポーチを選びましょう。
ランニングに最適な格好は?季節ごとにメンズ・レディースのおすすめトレーニングウェア&コーデを解説
ランニングやマラソンのために準備しておきたいウェアやグッズをご紹介してきました。
具体的にどのような格好で走るべきなのか、性別・季節別にわけておすすめのコーディネートをご紹介していきます。
【男性・春夏用】ランニングにおすすめのメンズ用ウェア
春にランニングをするときの男性の格好は、Tシャツにナイロンパーカーをはおり、ハーフパンツとコンプレッションタイツを重ね履きするスタイルがおすすめ。
もしくは、長袖コンプレッションウェアの上に半袖のTシャツを着て、体温調節をしやすくする格好も向いています。
真夏に夜ランをするときの格好であればTシャツにショートパンツでも良いですが、昼ランであれば紫外線をカットするため日焼け止めや薄手のタイツがあるとなお良いです。
【男性・秋冬用】ランニングにおすすめのメンズ用ウェア
秋冬の肌寒くなってきた時期の格好は、長袖Tシャツにロングパンツをあわせ、スポーツジャケットやナイロンジャケットで防寒対策を行いましょう。
重ね着スタイルは、走っているうちに暑くなってきても調整できるところが魅力。
雨に打たれると一気に体温が下がるため、撥水性のあるジャケットやパーカーを用意しておくと快適にランニングできるはずです。
寒さが厳しいようなら、グローブやネックゲイターを活用し、靴下も足首丈までの長めのものを選んでください。
【女性・春夏用】ランニングにおすすめのレディース用ウェア
女性のランニング時の格好は、春ならTシャツの上に薄手のパーカーをはおり、ショートパンツにレギンスやコンプレッションタイツを重ね履きするのが定番です。
春ですから、ピンクやライトブルー、ライトグリーンなど、パステルカラーを選べばランニングへのモチベーションも上がるはず。
気温の高い夏ならもっと薄着にしたいところですが、日焼け対策を考慮するとTシャツにショートパンツだけでは危険です。
アームカバーやネックカバー、キャップなどを活用して、紫外線対策を怠らないようにしましょう。
【女性・秋冬用】ランニングにおすすめのレディース用ウェア
秋冬用にランニングをするときの格好は、女性も男性と同じようにレイヤードで防寒性を高めたいところです。
長袖シャツの上にパーカーをはおり、タイツとショートパンツを重ね履き。極寒の日にランニングをするなら、ダウンベストを活用することもおすすめです。
冬はブラックやブラウンなどのカラーが多くなりがちですが、くすんだ色味のダルピンクやダルイエローなどを取り入れれば、秋冬のランニングファッションとしても楽しめるでしょう。
ランニングの格好でダイエット効果が変わる?脂肪燃焼効果を高めるウェア選びのポイント
ランニングの基本となる格好を性別・季節別でご紹介しました。
でも実はダイエット目的で走っているなら、ウェア選びのコツを覚えれば、さらに脂肪燃焼効果が高まるとされています。
寒さを感じたほうがエネルギー消費量は上がる
一般的には暖かくしたほうが脂肪は燃焼されやすくなるとされますが、人の体は気温が下がると、褐色脂肪細胞が脂肪と糖質を使って熱を発生させて体温を維持しようとします[2]。
つまり、気温が低いところで薄着をしていた方が、消費されるエネルギー量は増えるのです。
また、肥満状態だと白色脂肪細胞のエネルギー消費量が減少し、褐色脂肪細胞の働きが阻害される可能性が高いとされていますが[3]、気温が低いと白色脂肪細胞を褐色脂肪細胞に変換して、よりエネルギー消費量を増やせるようになるという研究結果もあります[4]。
[2]参照:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:褐色脂肪細胞は筋肉のようにエネルギーを燃やす?
[3]参照:JSTAGE:肥満と脂肪・エネルギー代謝に関する食品機能学的研究
[4]参照:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:ビタミンAは寒冷下での脂肪燃焼を促進する
エネルギー消費量を増やすには寒さとビタミンAがポイント
エネルギーを消費するためには周囲の気温の低さとビタミンAが必要だと言われているため[4]、ダイエット効果を高めるためのランニングであれば、ビタミンAを十分に摂取した状態で、なるべく薄着で走ると効果的かもしれません。ただし、風邪を引いたり、体調を崩したりしないよう寒すぎる格好は控えるようにしてください。
[4]参照:国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:ビタミンAは寒冷下での脂肪燃焼を促進する
高校生ランナーからも大人気!ランニングの格好でおすすめウェアブランド
ここまで機能面からランニングに相応しい格好を解説してきましたが、外に出る以上はやはり見た目の格好良さも大切だと思われるはず。
そこで最後に、おしゃれに関心の高い高校生ランナーからも支持されているスポーツブランドをご紹介して見ていきましょう。
ナイキ
スポーツブランドの定番であるナイキのウェアは、スタイリッシュで機能的なことが特徴。
トップアスリートや名門チームと提携したモデルなど、ナイキならではのオリジナリティを持つアイテムが揃っていることも魅力のひとつです。
H&M
H&Mはシンプル&カジュアルなタイプのデザインが多いことが特徴。
メンズウェア・レディースウェアともに充実の品ぞろえで、タウンユースにも使えそうなアイテムが揃っています。
いかにもランニングらしい出で立ちに抵抗があるという方におすすめです。
ルコックスポルティフ
ルコックスポルティフは男性から高い人気を誇るブランド。
ゴルフやサッカー、テニス用のウェアも販売しており、スポーツに関心を持つ方にとっての定番ブランドです。
全体的に落ち着いた雰囲気のデザインが多く、年齢を重ねてからランニングを始める方にも馴染みやすいウェアが揃います。
ユニクロ
安価にジョギングウェアを揃えたいという方から絶大な人気を誇るのがユニクロです。
スポーツメーカーの機能性には劣るかもしれませんが、エアリズムシリーズやドライEXシリーズはランナーから根強い支持を受け、UVカットパーカーやスポーツソックスなど、ランニングに必要なアイテムが一通り揃います。
特にコンパクトに持ち運べ、3,289円(税込)で手に入る「ポケッタブルUVカットパーカー」は年間を通して活躍してくれるアイテムです。
ランニングの服装は家にあるものでもOK?専用の格好であれば走りの快適性が変わる
これからランニングを始めようとされている初心者ランナーの方であれば、服装はなんでもいいと思われるかもしれません。
しかし、マラソン大会出場を目指しているなど本格的にランニングを始めるなら、専用ウェアで揃えた機能性の高い格好により走りの快適さは随分変わります。
ランニングウェアは筋トレやヨガでも使え、運動をされる方なら一着持っておいて損はありません。
ご紹介した内容を参考にしながらスポーツ用品店でさまざまなアイテムに触れてみて、自分に合うランニング時の格好を見つけてみてください。